変化? いえいえ進化です。「PURPLE」以後
「BUT期」でカルト的なコレクションを発表したUNDERCOVER。
しかし2007SS「PURPLE」からコレクションの雰囲気は一転します。
各コレクションの詳細は、次の通りです。
- 2007SS セクシーな服に挑戦した「PURPLE」
- 2007AW ニットにハイテク素材を無見合わせた「(無題ニットとハイテク)」
- 2008SS UNDERCOVERのリゾート服「SUNNER MADNESS」
- 2008AW リアルとアヴァンギャルドの狭間「UNREALREALCLOTHES」
2007SS「PURPLE」
Undercover SS 2007 Runway Fashion Show (Part 1 of 2)
Undercover SS 2007 Runway Fashion Show (Part 2 of 2)
5シーズンに渡って、UNDERCOVER特有のダークファンタジーなコレクションを発表した高橋氏。 その次のシーズンは、それまでとは真逆のコレクションに挑戦しました。
彼が2007SS「purple」で発表したのは、「セクシーな夜の服」たち。
かつてペーパードールで、パリのエレガンスをパロディ化した高橋氏。
このシーズンもそんなセクシーをパロディ化した服なのかと思うと、そうではないんです。
一見すると正統派なセクシーな服。でも近くによってよーく見るとドクロの形になっています。
2007AW「無題(ニットとハイテク)」
全シーズンの「purple」に引き続き、このシーズンもUNDERCOVERらしい毒は影を潜めています。 タイトルは「無題」。
でもアトリエ内では「ニットとハイテク」と呼ばれたコレクションです。
ニットにNASAで使われるハイテク素材を合わせたシーズンです。
使われたハイテク素材は次の通りです。
- 暑くなると熱を吸収し、寒くなると熱を放出する 3M Gene-Thermo NEO(3Mジェネサーモ ネオ)
- 太陽光を吸収し、その光エネルギーを熱エネルギーに変更する、 Thermotron(サーモトロン)
- 制電性があって、太陽光を熱変換して高い保湿性がある SOLARSENSOR L(ソーラーセンサーL)
「ニットって暖かそうだけど、けっこう風を通すから寒いのでは?」というのがデザインのスタート。
ニットのそんなデメリットをフォローするように、NASAでも使われているハイテク素材を使って、防寒性を出したシーズンです。
2008SS「SUMMER MADNESS」
セクシーな夜の服、ハイテク素材を多用したニット。
その次に発表したのは、「サマーリゾート用の服」です。
このシーズンの服に多用されていたモチーフは「クモ」。
バラのプリントも遠目にみると可愛いのですが、近くで見ると不気味なクモが乗っかっている。
2008AW「UNREALREALCLOTHES」
テーマは「UNEALREALCLOTHES」。
アンリアルだけど、リアルな服を発表したコレクションです。
スウェットパーカーやセーター、ライダースなどなど。
デザインのもとになっているアイテムは、ど定番なリアルクローズ。
パンツにはナナメに何本も切り替えが入っている。
セーターにはドレープを入れてエレガントに。
パーカーはチノパンとドッキングしている。
そんなど定番なアイテムを「リアルクローズをあえてリアルじゃなくなるよう」にデザインしたシーズンです。
このシーズンに発表したターコイズブルーのライダースは今でも名作として語り継がれています。
コレクション休止期
ショー以外での洋服の発表方法を模索します。
コレクションの詳細は、次の通りです。
- 2009SSレディス 写真集とともに発表した「GRACE」
- 2009SSメンズ ジョン・ライドンの私服をイメージした「NEO BOY」
- 2009AW 服が服を食べている服を作った「EARMUFF MANIAC」
- 2010SS ディーター・ラムスからの影響「LESS BUT BETTER」
- 2010AW デザイナー自身がモデルを務めた「AVAKARETA LIFE」
- 2011SS 架空のヒーローをテーマに「UNDERMAN」
2009SSレディス「GRACE」
ぬいぐるみで作るクリーチャー「GRACE」に熱中していた時期のコレクション。
コレクションのテーマにも「GRACE」を採用しました。
また「GRACE」が主人公の写真集を発表しました。
ちなみにこのシーズンの服はパフュームのアルバム「△」にスタイリングされています。
2009SSメンズ「NEO BOY」「POPTONES」
P.I.Lのボーカル、ジョン・ライドンの私服をイメージしたコレクション
2009AW「EARMUFF MANIAC」
ニットの編地をプリントで表現したシーズン。
山道にアルミホイルみたいな金属で道を作って、その道を歩くモデルを撮影しています。 2007AW「ニットとハイテク」の続編のようなコレクションです。
リンゴがモチーフとして多く登場していました。
2010SS「LESS BUT BETTER」
ディーター・ラムスのプロダクトから影響を受けたシーズン。
グレイベージュやオリーブグレイのカラーパレットが印象的なコレクションです。
ミニマルなデザインの洋服がたくさん登場します。 このシーズンにイタリアのファッション展示会「ピッティウォモ」にてメンズのショーを行いました。
ちなみにショーの時にモデルが掛けていたサングラスは高橋氏の友人、スケートシング氏のデザインです。
2010AW「AVAKARETA LIFE」
デザイナーである高橋盾と自身の妻森下璃子がモデルを務めたシーズンです。
当時のファッションショー形式での発表や、アバンギャルドなランウェイ用の服に対して、疑問を投げかけたコレクションです。
2011SS「UNDERMAN」
架空のヒーロー、UNDERMANをテーマにしたシーズンです。
UNDERMANのカード写真集も発売しました。 水原希子も登場しています。
「MIRROR」「OPENSTRINGS」「PSYCHO COLOR」「NO TITLE」
コレクションの詳細は、次の通りです。
- 2011AW ディテールに毒を盛ったリアルクローズ「MIRROR」
- 2012SS パティ・スミスなドッキング服「OPENSTRINGS」
- 2012AW ジャズ発想の狂気的な色使い「PSYCO COLOR」
- 2013SS コラージュ感のあるグラフィックが特徴の「NO TITLE」
2011AW「MIRROR」
6シーズン振りにパリコレクションに参加しました。 ひび割れた鏡や猫がモチーフのコレクションです。
2012SS「OPENSTRINGS」
裏テーマは「パティ・スミス」。
ドッキングされた服がポイントのコレクションです。
2012AW「PSYCHO COLOR」
「狂気的な色使い」がコンセプトのシーズンです。
ここまで色を使ったコレクションは久しぶり。
2013SS「NO TITLE」
定番アイテムを再構築したかのようなデザインが特徴のシーズン。
コラージュ感のあるグラフィックもポイント。
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