アレキサンダーマックイーンという伝説のデザイナーがいました。彼ほどに「孤高」という言葉似合うデザイナーは他にいないでしょう。
26歳にしてブリティッシュデザイナーアワードを受賞したり、彼はジバンシーのデザイナーになるなどの輝かしい経歴。
高尚なデザインかというとそんなことはなく、クチュールのテイストに、絶妙な下品さ(いい意味での)が混ざっています。
彼がデザイナーとして絶頂だった時、僕は高校生でした。当時の僕はファッションデザイナーを夢見て、毎日ファッションニュースやスタイルドットコムを見ていました。
そんな当時の僕にとって、アレキサンダーマックイーンは憧れの人でした。
また服飾の学生だった時に、同級生の女の子と好きなデザイナーの話になった時は「ほとんどの子がマックイーンの名前を上げていました。
今の服飾学生はもうマックイーンを知らない子も増えてきたのかな・・・。
そう考えると少し悲しいな。
今回はマックイーンのことを知らない人に少しでも知ってもらえたらと思って書いてみました。
はじめに
マックイーンのキャリアの中で、最高傑作だと感じるシーズンが2つあります。
他のコレクションも素晴らしいのだが、この2つのシーズンは彼のテーラーとしての経験、オートクチュールデザイナーとしての経験。
イギリス人の血など、全てがバランスよくミックスされたシーズンでした。
- 2006AW
- 2007SS

この2シーズンです
2006AW Collection
このシーズンのショーは4つのシリーズに分けられています。
- シャンパンゴールドのドレスやジャケット
- グレーのスーツやローゲージニット
- 赤のタータンチェックドレスやスーツ
- クチュール感溢れる一点もののドレス
テーラリングが美しいスーツ。ゴシックな香りのするドレスたち。布の動きが美しいドレス。
どのシーンのアイテムからも彼のルーツが感じられます。
またフィリップ・トレイシーによる鳥の羽や飛行機の模型を使ったヘッドピースと服とのマッチング!
個人的には、赤のタータンチェックのシリーズがロックな雰囲気で最高です。音楽もロックチューンばかりで良い。
なかでもジャケット類は、彼の元テーラーとしてのキャリアがあるから作られるカッティングが素晴らしいです。

ショーのさいごにホログラムで登場したケイトモスを見て涙した人もいたとか
演出、デザインの独創性、縫製のクオリティ、ホログラムを使ったテクノロジーの活用など、どの要素も完璧なコレクション。
このコレクションは、間違いなく2006AWシーズンの中では、トップクラスのコレクションでした!
2007SS Collection
会場中央で演奏するオーケストラの間をモデルが歩く演出のコレクション。
このシーズンもマックイーンらしい「オートクチュールのコレクション?」と思ってしまうような美しいドレスばかりが登場します。
フィリップ・トレイシーによるヘッドピースもバラの花をモチーフにしています。
だんだんとオーケストラの曲調が激しくなってきたショーの終盤に登場した花のドレス。最高です!
最後のバラのドレスが歩いた道筋にバラがポツリポツリと落ちていく。
そんな計算なのかたまたまかわからない演出が本当にエモーショナルです。
まとめ
アレキサンダーマックイーンがこの世をさってから、もう10年以上が経ちました。
彼がこの世からさってから、
マルジュラがファッション界を引退
ガリアーノが自身のブランドから退任
などなど。
かなりの出来事がファッション界には起こりました。
もし叶うならば彼が今でもこの世に残ってくれていたならどんな服を生み出していたのかが見て見たかったです。
彼ならばAiを活用したファッションデザインなど、テクノロジーを上手く活用したコレクションを生み出していたはず。
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