僕が肌身離さず、持ち歩いているもの。それはノート。
いつも持ち歩いているものなので、ノートの使い方も自分なりに工夫をして、日々変えていっています。
しかし自分の頭だけを使って考えても、ノートの工夫には限界があるんです。
そんな中で大事になってくるのが、ノート術の本を読むこと
僕はいつもノート術の本を読んで、「ほかの人がどんな風にノートを使っているのか」を調べています。
ノートと題名に入っている本なら、片っ端から読む感じ。
そんなノート術の本で、さいきん面白い本を見つけたんですよ!
それがオタキングこと、岡田斗司夫さんの書いた『スマートノート』。
『スマートノート』は天才を作るためのノート術
『スマートノート』のコンセプトはノート術の本としては、少し、いやかなり変わっているんです。
そのコンセプトというのが、「天才を作るため」のノート術。
どうでしょう、めずらしい切り口じゃないですか?
仕事の効率化、とか。
アウトプットの質を高める、とか。
そういうノート術の本は世の中にたくさんあります。
でも「天才を作るため」という目標を持ったノート術の本って、今まで出会ったことがありませんでした。
当記事では
『スマートノート』がどうやって天才を作っていくのか?
『スマートノート』のやり方
などについてご説明します。
それでは著者の岡田さんが示す「天才」とは、どのような人なのか?をご説明します。
まずは岡田さんが定義する天才の3要素についてのご説明
岡田さんは『スマートノート』の中で、天才はつぎの3つの能力を兼ね備えている人だと書いています。
その3つの要素というのが、つぎのとおり。
- 発想
- 表現力
- 論理力
天才になるには「発想力」「表現力」「論理力」を、バランスよく持ち合わせていないとダメなんです。
2つの能力だけでも、十分に人生はうまくいく
3つの能力、すべてを持っていなくて、2つの能力だけしか持っていない。
そうだったとしても、社会では十分に成功ができます。
たとえば2つ能力を兼ね備えていると、次のように分類されます。
表現力×論理力=頭の良い人
発想力×表現力=面白い人
ただし、1つの能力だけは意味がない・・・
たとえば3つの内の1つの能力だけを鍛えまくったとしても、それではダメなんです。
たとえば「発想力」だけを伸ばした場合。
これだと面白いことは言うけど、現実的な発言はしない人になってしまいます。
「表現力」だけがあっても、うわべだけでその人独自の視点がないから、つまらなくなる。
「論理力」だけを鍛えたとしても、正しいことは言うけど面白くない人になってしまいます。
2つの能力があればいいけど、1つだと意味がない・・・
『スマートノート』は、3つの能力をバランスよく鍛えられるノート術
スマートノートに書いてあるノートの使い方を実践すれば、
「発想力」「表現力」「論理力」
この3つの能力がバランスよく成長していく。
そして「天才になれる」と岡田さんは書いています。
それではその肝心のスマートノートとは、どういった「ノート術」なのか?
スマートノートには7つのステップがあり、それをひとつずつクリアしていくことで「天才」に近づきます。
「スマートノート」の7つのステップ
- 5行日記(行動記録)
- 今日はどんな日?(行動採点)
- 毎日いち見開き(論理訓練)
- 見せてお話(表現訓練)
- 臨界突破(脳内リンク開始)
- 知識→教養→見識(統合)
- 世に出る(私によれば世界は)
「今日はどんな日?」とか「見せてお話」など、一見ふざけているのか?と感じる名前です。
しかしこの7つのステップには、ひとつひとつの意味があって、順番にこなしていくことですごい効果を発揮します。
それではこの7つのステップについて・・・
くわしく説明していきます!
1. 5行日記(行動記録)
その日の自分の行動を、ノートの右ページに5行にまとめて書き込みます。
1日の中で自分の印象に残ったことを書いてください。
短くカンタンな箇条書きで大丈夫です。
たとえば・・・
- 部屋の掃除をした
- 『スマートノート』を読んだ
- ラーメンを食べた
- 散歩した
- ブログを書いた
みたいな感じです。
そして左ページには、
- 5行日記の感想
- 連想したこと
- メモ
- イラスト
などなど。
なんでも書いていきます。
つまり左ページは、「自由帳化」するんです。
また「5行日記」に関しては、ふだんからノートを持ち歩いて、書き込む習慣がある人は、飛ばしてしまってかまいません。
5行日記は、ふだんノートを持ち歩いていない人がノートを持ち歩く習慣を作るためのステップです。
「5行日記」も習慣化してきて、一週間以上継続できたら、次のステップに移ります。
それが「今日はどんな日?(行動採点)」です。
2. 今日はどんな日?(行動採点)
5行日記を何日も継続できるようになってきた。僕のイメージ的には1週間を目安にすればいいと思います。
その段階まで来たら、5行日記の採点を新たに加えます。
5行日記の採点は、0~5点の6段階で行い、横に点数を書き込んでいきます。
たとえば・・・
- 部屋の掃除をした 2
- 『スマートノート』を読んだ 4
- ラーメンを食べた 4
- 散歩した 5
- ブログを書いた 3
みたいな感じです。
評価の基準については、つぎのとおり。
思い出すだけで顔がニヤついちゃう……5点
楽しかった ……4点
ふつう ……3点
楽しめなかった ……2点
つまんなかった ……1点
ダメだ。思い出したくない ……0点『スマートノート』岡田斗司夫著 P62より 2011年2月 文藝春秋
ただ日記を採点しているだけ
でも自分の行動を自分で見返すことによって、採点が低かったことは繰り返さなくなったり、改善点を探すようになるはずです。
たとえば部屋の掃除をした日に、行動採点をした時に、振り返ったら、部屋の掃除は2点だった。
そしたら部屋の掃除って、自分にとってはあまり楽しくない行動だったという気付きがあるとします。
すると「つぎにボーナス入ったらルンバ買おうかな?」という改善案が生まれてきます。
それが大切なんです!
こうやって日常の中で「行動採点」をしていくと、自分のことを分析できます。
行動記録と行動採点には意味がある
行動記録は、つぎの2つを習慣化するために行います。
- ノートを持ち歩く
- ノートに何かを書く
そしてその行動記録(自分の行動)を採点することで、「自分を客観的に見つめる訓練」にもなっているんです。
行動記録と行動採点。
この両方が習慣化してきた方には、次の段階に移れます。
正直、次の段階がスマートノートを使いこなす上での、いちばんの難問になると思います。
その難問というのが・・・
3. 毎日いち見開き(論理訓練)
毎日ノートを「見開き」の両ページで使っていくというもの。
別名は「論理訓練」です。
ノートの右側に、自分の思ったことをなんでも書いてください。
それをどんどんと掘り下げていくようなイメージです。
論理的思考=上下水平方向に考える
岡田さんは『スマートノート』の中で、こう書いています。
論理的に考える、とうのは上下水平方向に物事を考えることです。
『スマートノート』岡田斗司夫著 P107より 2011年2月 文藝春秋
ひとつ気になったことが出てきたら、ノートを使って上下水平方向に考えてみる。
下方向=「なぜ?(原因)」
上方向=「ということは?(推理)」「どうする(解決策)」
左方向=「昔はどうだったか?(過去へ)」
右方向=「似ているものはない?(類似、連想)」
そしてさいごに「私はいま、こう考える」という結論を加える。
このパートは、いわゆる「マインドマップ」が近いかもしれません。
みんな考えているようで、考えていない
ふだん僕たちは考えているようで考えていないんですよね。
何か気になっていたり、頭の中でずーっと同じことが思い出されている状態も、じつは何も考えていない。
考えているといっても、気になっていることをグーグルで検索して、上位の1、2ページを見るだけだったりする。
でも気になっていることを紙に書き出すだけでも、一度書くという行為を通します。
それは自分の悩みを言語化するということにつながる。
考えをすべて書き留めることだ。考えのステップ、頭に浮かんだことを書き留めると、堂々巡りがほぼなくなる。
『ゼロ秒思考』赤羽雄二著 P037より 2013年12月 ダイヤモンド社
気になっていることや悩みを1度紙に書き出せば、そのことについて客観的に見ることができるようになるんです。
そして具体的な対処法を考えるようになる。
だから
書くこと=考えること
なんです。
毎日いち見開きの左ページの使い方
- 右ページの続きを書く
- まとめページにする
- 面白いことを書く
- ホワイトボードとして使う
「右ページの続きを書く」はカンタンですね。右ページを上から下まで使い切ったら、その続きを左ページに書いていくだけ。
「まとめページ」にする、は右ページのなかで自分が大事だと思った部分をわかりやすく箇条書きとかで左ページに書いていくイメージです。絵が得意な人は、イラスト化してもいいかもしれません。
むずかしいのは「面白いことを書く」と「ホワイトボードとして使う」です。
「面白いことを書く」は左ページではふざけたことを書いていきます。
「ホワイトボードとして使う」は「見せてお話し」の部分で説明します。
スマートノートでは、あえて左ページを開けて使うことで、もったいないと思って、埋めたくなるのを狙っています。
この毎日ノートを見開きで2ページ使って自分が気になっていることを掘り下げていく。
この行為を続けることで、「論理的に考えるクセ」がつきます。
岡田さんがおすすめしているノートのサイズは、B5です。
あまり小さくても大きく書きづらいので。
ちなみに『【まとめ】おすすめのノート7冊をご紹介【ノート選びに困ったときの参考に】』という記事では、僕がおすすめするノートをご紹介しています。
この「毎日いち見開き」を使いこなせるようになったら、書き溜めてきたノートを人に見せて、お話しをしていきます。
4. 見せてお話(表現訓練)
ここまで来たら、つぎは自分のノートの中身を友達に見せてみましょう。
スマートノートをコミュニケーションツールとして使います。
さきほどの左ページの使い方にあった「ホワイトボードとして使う」です。
友達との会話などを右ページに書いていく。
そして左ページには、その会話の要点などを書いてみてください。
それだけで友達との会話の内容を俯瞰で見ることができるようになり、一目置かれるようになるでしょう。
あとこれって、友達との会話だけに限定しなくてもいいと思うんですね。
たとえば上司との会話を全部まとめてみたり、逆に部下との会話を全部ノートにまとめる。
これでもコミュニケーションのレベルがグッと上がると思います。
5. 臨界突破(脳内リンク開始)
そうやってノートをに何かを書き続けること、を続けているとある日突然「わかる!」となる日がくるんです。
それが脳内リンクです
毎日毎日スマートノートにコツコツと書き続けてきた成果です。
スマートノートに毎日書く、という行為は「あたりまえかもしれないことを、自分でいちいち言語化する」、つまり自分用にカスタマイズした「ことば」にする、という作業です。
『スマートノート』岡田斗司夫著 P166より 2011年2月 文藝春秋
こうやってノートを持っていなかったら、見逃してしまうようなことでも、ノートがあれば書き留める。
しかもただ書くだけではなく、上下水平方向に考えたり、友達にも話してアウトプットする。
そんな風に「書く」をひたすら続ける。
そうすると、何の関係も持っていないような思考の欠片同士が、ある日急につながりを持ち始めるんです。
ぼく自身もノートを持ち歩きだして3年以上が経ちますが、そういった経験は何度かあります。
6. 知識→教養→見識(統合)
スマートノートとつけていると、自分の中に意見や仮説がどんどんとストックされていく。
意見や仮説。
これこそが財産です。『スマートノート』岡田斗司夫著 P198より 2011年2月 文藝春秋
この意見や仮説のストックの量がたまることが大切です。
これが「見識」になるから!
けん‐しき【見識】 の解説
1 物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力。ある物事に対する確かな考えや意見。識見。「見識を備えた人物」
『goo 辞書』より引用
見識は何で成り立っているの?
見識は
知識+人格+教養
によってできています。
知識=自分にとって必要な情報の集合体
人格=知識をどういう風に解釈するかという立ち位置
教養=文化に対する知識
僕は見識を、その人独自の世の中の見方という風に考えています。
知識が教養になって、それが最終的には見識になるんです。
教養+立場+判断=見識
です。
7. 世に出る(私によれば世界は)
そうしてこの段階まできたら、もう完ぺき。
ここまでくれば、あなたはもう何について話してもおもしろく語れます。
ブログとかツイッターとかで、どんどん自分の考えたことや思うことを発信していきましょう。
「世に出る」は、そういった発信活動を行うべきタイミングです。
ここがスマートノートのゴールです
まとめ
「スマートノート」の7つのステップ
- 5行日記(行動記録)
- 今日はどんな日?(行動採点)
- 毎日いち見開き(論理訓練)
- 見せてお話(表現訓練)
- 臨界突破(脳内リンク開始)
- 知識→教養→見識(統合)
- 世に出る(私によれば世界は)
この7つのステップをご紹介しました。
「5行日記」「今日はどんな日?」でノートを持ち歩く、そしてノートに書く習慣を身に着けました。
「毎日いち見開き」では、物事を論理的に考える訓練。
どうですか?さいしょはふざけているのかな?と感じたタイトルも、こうやって意味や狙いを知ると、印象が変わりませんか?
この『スマートノート』の内容を実践することで、はじめはノートを持ち歩く習慣のなかった人でも、論理力が身に付き、発想力が身に付き、表現力が身に付きます。
『スマートノート』は読むべきか?試すべきか?
まず『スマートノート』は読むべきなのか?
僕は友達が悩んでいたら、「読んだ方がいいよ!」と強く勧めます。
ただ『スマートノート』は少し値段が高いんですよ。中古でも3,000円くらい。
ですがこの値段の倍以上の価値があると、僕は感じました。
なぜかというと、『スマートノート』を読めば、岡田斗司夫氏のノートの中身を見ることができるから。
それだけでも価値があります!
またこの本にはコラムのような部分がありまして。
このコラムの部分に乗っていた「悩みのジャグリング」という考え方がとても勉強になりました。
そして『スマートノート」は試してみるべきか?
僕は1冊だけでも、試すべきだと考えています。
毎日毎日少しずつ、コツコツと自分の考えをノートに言語化していく。
これだけでは正直に言うと、「天才にはなれない」と思います。
しかし前述の「表現力」「論理力」「発想力」。
この3つの能力は、確実にUPします。
この事実が、僕がスマートノートを試してみる価値あると言う理由です。
ノートをつける意味って?
ノートをつける目的って、「忘れないため」だと思います。
- 仕事の重点事項
- 読んだ本の内容
などなど。
人が覚えておかないといけないことってたくさんあります。
いわゆるインプット。
でもノートをつける本当の意味って、「アウトプットすること」にあるんですよね。
学生のときは覚えるためにノートを使いますが、社会人になってからは「忘れる」ためにノートを使います。
暗記するためにノートに書くのではなく、あとで活用する「記録」をして書くのです。『「結果を出す人』はノートに何を書いているのか』美崎栄一郎著 P7より 2009年9月 Nanaブックス
その意味でも、スマートノートに書かれているノート術って、強制的にアウトプットさせられる感じです。それが心地良い。
あなたも『スマートノート』を読んで、天才に近づきませんか?
ちなみに岡田さんご本人が『スマートノート』について語るのは、こちらの動画から。
参考文献
- 『スマートノート』岡田斗司夫著
- 『岡田斗司夫公式ブログ』岡田斗司夫さんのブログ
- 『バレットジャーナル』ライダー・キャロル著
- 『「結果を出す人』はノートに何を書いているのか』 美崎栄一郎著
- 『ゼロ秒思考』 赤羽雄二著
以上で記事は終わりです。
さいごまで、読んでいただき、ありがとうございました!
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