さいきんでは少し落ち着きましたが、一時期は新聞やニュースで「メタバース」というワードを目にしない日は無かったです。
世間を騒がせ、話題になっていたメタバース。
あなたは「メタバースについて説明してください」と言われたら、説明できるでしょうか?
ちゃんと説明できる自信が、ぼくは正直ありません。
ということで、メタバースに関する本を何冊か読んでみました。
当記事では、メタバースに関する本を読んで、知ったことや考えたことを、自分の中でまとめるために書きました。
また本の内容以外にも、ぼくの予測や理想みたいなモノもまざっている記事になりました。
その結果、記事の内容はメタバースにくわしい方が読んでも、そこまで新しい発見はないと思います。
でもメタバースについて、くわしくない方には、理解していただけるような記事になっています。
この記事を読んでわかること
- あらためて、メタバースって何なの?
- メタバースが話題になったキッカケ
- VR、AR、MR
- 結局、メタバースが普及するのは、いつごろ?
- メタバースとNFT、Web 3.0の関係性
それではまずは「メタバース」とは、一体、何なのか?
あらあためて、整理します。
あらためて、メタバースって何なの?
「メタバース」という言葉自体は、アメリカの作家のニール・スティーブンスンが1992年に発表した『スノウ・クラッシュ』という小説で、はじめて使われました。
metaverse= meta + universe
メタバースは、英単語のmetaとuniverseを足し合わせた造語です。
metaとuniverseの意味は、それぞれつぎのとおり。
- meta (メタ) = 高次の、超~
- universe (ユニバース) =宇宙,万物
つまりはmetaverseとは「現実を超越した世界」という意味です。
メタバースの定義
メタバースを「コミュニケーションできる仮想空間」と定義する人もいれば、「現実とは少し異なる理(ことわり)で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」と定義する人もいます。
どちらの説明も、ぼくの中でのメタバース像とは、すこし合いません。
まずは「コミュニケーションできる仮想空間」という定義。
人によっては、メタバース内で他者とのコミュニケーションを行わない可能性もあります。
自分1人だけしかいないような、メタバースです。
すこしさびしい気もしますが・・・。
でも人とコミュニケーションをとるのが、そこまで好きじゃない人もいますよね。
そんな人は、孤独なメタバースを望み、たのしむ場合もあるでしょう。
またふだんはコミュニケーションをとるのが好きな人も、瞑想を行うために1日の数分間だけをドラゴンボールの「精神と時の部屋」のようなメタバースに没入するかも。
つぎに「現実とは少し異なる理(ことわり)で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」という定義についてです。
こちらの定義にも合わないメタバースが仮定できます。
たとえば自分以外の多くの人々が所属しているメタバースです。オンラインゲーム空間を想像してください。
そのメタバースに参加した場合、かならずしも「自分にとって都合のいい世界」になるとは限りませんよね。
メタバースの定義は、人によって違う
メタバース自体が、2021年に急に出てきたバズワード。
実際にメタバースのサービスが存在する前に、言葉自体が先行しているので、人によって定義が違うのは当たり前です。
だから、どの定義も正しいけども、どの定義も正しくはない。
人によって定義が違うメタバースという言葉ですが、ぼくは『世界2.0』の著者、佐藤航陽さんの定義が1番しっくりときました。
メタバースとは、インターネット上に作られた3Dの仮想空間のことです。
佐藤航陽著『世界2.0』幻冬社 2022年 11Pより
この定義だと、他者とコミュニケーションをとらないメタバースも含まれます。
逆に多数が参加するオンラインゲームのようなメタバースも含まれています。
なので当記事では、
メタバース = インターネット上の3D仮想空間
という定義で進めます。
そんなメタバースですが、2021年末くらいから、急に話題になりましたよね。
それはある会社が関係しているんです
メタバースが話題になったキッカケ
フェイスブック→メタ・プラットフォームズ社への社名変更
2021年10月、フェイスブック社は社名を「メタ・プラットフォームズ」に変えました。
社名に使った「メタ」は、もちろんメタバースの「メタ」です。
旧フェイスブック社は、もともとFacebookやInstagramなどのSNSサービスを主軸にビジネスを展開していました。
そんな旧フェイスブック社が、メタに社名を変えるということは、マーク・ザッカーバーグがメタバース事業に注力していくことを意味しています。
2021年だけでも、メタバース事業に100億ドル(約1兆1400億円)を投資すると発表しました。
まさに「社運を賭けたプロジェクト」と言えますね。
SNSサービスのFacebookをスタートした後、Instagramも買収して時代の寵児となったマークザッカーバーグ。
そんな先見の明がある彼が、メタバースに社運をかけるくらいの投資を行いました。
だから世間は「メタバースって絶対に流行るんじゃないのか?」ってなったんですね。
これがメタバースに対する世間の注目が高まった理由です。
Horizon Worlds (ホライズン・ワールド)を発表
メタ社が100億ドル(約1兆1400億円)の投資をおこなったメタバース事業の未来は、明るいモノではありません。
メタ社が2021年に発表した「ホライズン・ワールド」は、正直、残念な仕上がりです。
このサービスを見たユーザーの反応は、がっかりしている意見が多いです。
でもあくまで現状は、という感じでしょうか。
ホライズン・ワールドのアバターは、上半身のみです。
今インターネットユーザーのPCのスペックって、そんなに高くないですよね。
そんなふつうのスペックのPCでも、問題なく動くように、あえてグラフィックのレベルを低くしているのかもしれません。
世間に普及しているPCの性能が上がるにつれ、ホライズン・ワールドのグラフィックも徐々にレベルアップさせる可能性もあります。
VR、AR、MR
メタバースのくわしい話に入る前に、知っておきたい言葉があります。
それはVR、AR、MRの3つです。
- VR(Virtual Reality : バーチャルリアリティ)= 仮想現実
- AR(Augmented Reality : オーグメンティドリアリティ)= 拡張現実
- MR(Mixed Reality : ミックストリアリティ)= 複合現実
VR(Virtual Reality : バーチャルリアリティ)= 仮想現実
VRは日本語で言
いうと「仮想現実」です。
メタバースでイメージされるのは、VRです。
メタ社のメタ・クエストが目指しているのが、VR。
AR(Augmented Reality : オーグメンティドリアリティ)= 拡張現実
ARは日本語でいうと「拡張現実」です。
スマートフォンやタブレット、AR用のサングラス型のデバイス越しに現実世界を見て、そこにデジタルデータを足す、そんなイメージです。
具体的なサービスだと、「ポケモンGO」がARですね。
また、ARはゲームに滞らず、様々な分野で活用されています。
例えば、インテリアデザインや商品のプレビューでは、ARを使って家具や製品を実際の場所に配置したり、詳細な視覚イメージを追加します。
さらに教育訓練やの分野では、ARを使ってリアルなシミュレーションや情報の提案を行い、学習効果を高めることができます。
MR(Mixed Reality : ミックストリアリティ)= 複合現実
MR(融合現実)は、現実世界に3Dのデジタルデータを追加する技術です。
ARとの違いを説明するのは、難しいんですよね・・・。
ARを進化させたものと考えてください。MRはARの進化版とも言える技術であり、より直感的な操作や入力感を提供します。
ARと同様に、MRも現実世界の空間上にデータをデジタルで表示します。
ただし、MRではそのデジタルデータを実際に触って、形状や構成を変えることができます。
たとえば、MRのデバイスを使って仮想的なオブジェクトを現実空間に投影すると、そのオブジェクトを手で動かしたり、移動させたりすることができます。
また仮想のボタンやメニューを、実際の手の動きで操作することも可能です。
MR の最も有名な例の 1 つは、Microsoft の HoloLens です。
HoloLens をかぶると、現実世界にデジタルデータを手で操作することができます。
モデルを表示し、手で回転させたり拡大したりすることができます。
MRは現実世界とデジタル世界の融合を大切に、私の日常生活や仕事の領域で新たな可能性を開拓しています。
メタバースには、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)が欠かせない
「ヘッドマウントディスプレイ(以下ではHMD)」とは、頭から被るタイプのゴーグル型のデバイスです。
このHMDを着用して、ゲームを行ったり、仮想空間に滞在することで、現実世界と区別がつかないほどの没入感を味わうことができます。
ヘッドマウントディスプレイで、有名な商品が2つ
- メタの「メタ・クエスト2」
- アップルの「アップル・ヴィジョン」
メタ社の「メタ・クエスト2」
市場で発売されているHMDの中で、もっとも有名なのは、メタ社の「メタ・クエスト2」です。
ちなみに「メタ・クエスト3」は2023年秋に発売予定。
このメタ・クエストは、メタ社が開発した商品というわけではありません。
メタ社は、2014年にHMDを開発していたオキュラスという会社を、20億ドルで買収しています。
Oculus Rift(オキュラス・リフト)→メタ・クエストの流れ
メタ社が販売している「メタ・クエスト2」ですが、こちらには前身のプロダクトがありました。
それが「Oculus Quest2(オキュラス・クエスト2)」です。
メタ社は、自社でHMDを開発したわけではなく、もともとHMDを開発してた会社を買収したんですよ。
メタ・クエスト2の歴史をたどると、出てくるのが「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」です。
こちらはオキュラス創立者の1人であるパルマー・ラッキーが、2012年にビデオゲーム用のHMDとして発表しています。
Oculus Rift(オキュラス・リフト)からメタ・クエスト2までの流れは、つぎのとおり。
- 2012年「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」を発表
- 2014年 フェイスブックが Oculus(オキュラス)を買収
- 2016年「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」を発売
- 2017年「Oculus Go(オキュラス・ゴー)」を発表
- 2018年「Oculus Quest(オキュラス・クエスト)」を発表
- 2020年「Oculus Quest2(オキュラス・クエスト2)」を発表
- 2022年メタ社への社名変更と共に「Oculus Quest2(オキュラス・クエスト2)」を「メタ・クエスト2」へと名称変更
メタ社が「Oculus(オキュラス)」を買収したのは、2014年です。
マークザッカーバーグは、メタバース事業に関しては、かなり前から準備していたことがわかります。
マークザッカーバーグが、インスタグラムを買収したのは2012年の4月です。
この時期の前後には、彼はメタバースもメタ社の事業のひとつとして、視野に入れていたのかもしれません。
そう考えると、先見の明がありすぎて、怖すぎる 笑
そんなメタ・クエストですが、持っている人ってなかなかいませんよね。
少なくとも、ぼくのまわりにはいません。
だから、ぼくは「HMDが普及するのは、まだまだ先のことだろうな・・・」と思っていました。
しかし、そんな流れを切り裂くような出来事が起こります。
2023年6月、アップルが「アップル・ヴィジョン・プロ」を発表
アップルが発表した「アップル・ヴィジョン・プロ」は、VR用のデバイスというよりは、どちらかというと空間コンピューティングを利用したMR(複合現実)用のデバイスです。
しかしこのアップルヴィジョン・プロを使って、ゲームをするようになったらどうなるんでしょうか。
またメタは、SNSサービスといったソフト面では強いのですが、デバイスなどのハード面では負けていました。
スマホは、アップルの「iPhone」とグーグルの「Android」。
スマートスピーカーは、アマゾンの「Amazon echo」とグーグルの「Google Home」。
今後はアップルとメタが、HMD領域というハード面で争っていくでしょう。
また潤沢な資金を持っているメタ社やアップルがHMDを販売している市場に、新興事業が挑むのは、かなりキビシイです。いわゆる無理ゲー。
結局、メタバースが普及するのは、いつなの?
ぼくはメタバースが一般大衆に普及して、現在のスマートフォンのように使われるようになるのは、 2030年前半と予測しています。
その理由は、つぎの3つです。
- ヘッドマウントディスプレイの発達
- メタバースとAIブームは似ているから
- 2030年の人口構成の変化
ヘッドマウントディスプレイの発達
「メタ・クエスト2」や「アップル・ヴィジョン・プロ」は、一般の人々に普及するとは思えません。
人々が頭からかぶるデバイスであるHMDを着用する習慣はありません。またHMDは重いです。
でも「ムーアの法則」とおりに、コンピューター機器の性能が向上と小型化が進めば、変わってきます。
HMDも小型化して、メガネ感覚でつけるようになるでしょう。
ムーアの法則は、限界に来ているみたいな意見もありますが、チップレットのように、縦に回路を積み上げていけば実現するかもしれません。
アップル・ヴィジョンも第4世代で普及?
初代iPhoneは、2007年にアメリカで発表されました。
日本でiPhoneが発売されたのは、一年後の2008年7月11日。
第2世代の「iPhone 3G」でした。
スマホが日本で本格的に普及し始めたのは、第4世代となる2010年発売の「iPhone 4」からです。
普及の理由は、ソフトバンク以外にAUでも販売を開始したのと、iPhoneの性能の向上が理由です。
こうなってくると、アップル・ヴィジョン・プロが普及するのは、4年後くらいの2020年代後半になってくると考えます。
アップルヴィジョンの性能も向上していくでしょう。
バッテリーの持ちが良くなったり、小型になって軽量化するからです。
メタバースブームとAIブームは似ている。
レイ・カーツワイルが2005年に提唱した「シンギュラリティ」。
日本では2016年に孫正義さんが「シンギュラリティは人類史上最大の革命である」と言ったことで話題になりました。
当時はかなり話題になりましたよね。
AIによって人間の仕事が奪われるとか。煽るような記事が多くありましたし、ぼくも実際に読みました。
でも、2016年以降の流れは知ってますよね?
その後一時はAIブームはさりました。
ニュースや新聞でAIについて取り上げられることは少なくなりました。
でも2022後半にまたAIブームが来ましたね。
- チャットGPT
- ミッド・ジャーニー
- スティーブル・ディフージョン
2023年後半に、上記のAI生成系サービスが一気に普及しましたよね。
2016年に話題になってから、実際にAIを活用したサービスが普及し始めたのは7年後の2023年。
マイクロソフトはOffice系のソフトに、ChatGPTを組み込んでいきます。
これから2025年には、人々が日々の仕事でAIを活用しているでしょう。
メタバースもAIの流れと似ていると思うんですね。一度幻滅期を迎えた後に、メタバース的なサービスが一気に普及していくのではないかと。
メタバースは2021年ごろに話題になりました。
その7年後、2028年ごろにメタバース的なサービスが登場。
そしてその2年後の2030年代に入ったあたりで、一般の人々の生活にメタバースが入り込んでいくでしょう。
2030年の人口構成
メタバースが普及する理由として、2030年代に生産人口のほとんどが「デジタルネイティブ世代」になるるというのもあります。
2030年には生産人口構成の約65パーセントを、ミレニアム世代とZ世代が占めます。
- ミレニアム世代=1981年〜1990年代なかばに生まれた世代
- Z世代=1990年代後半〜2000年代前半に生まれた世代
今はまだFAXを使っている会社もあります。でもFAXを使う理由は「便利だから」ではありませんよね。
会社の上司世代の人たちが、DX化への舵取りを行わないから、というのも理由の一つです。
しかし2030年からは企業においても決裁権を持つ世代が、ミレニアム世代になります。
そうなると、旧来のやり方はどんどんと消滅していくでしょう。
その結果、日本社会全体が急速にDX化していくと考えます。
メタバースは、このようなデジタルネイティブ世代の増加とDX化の流れによって普及し、ぼくたちの日常やビジネスのあり方を変えていくと思います。
メタバースの種類
メタバースの種類には、おもに次の3つに分類されます。
- ゲーム(コミュニケーション)系
- NFT系
- デジタルツイン系
ゲーム(コミュニケーション)系
コミュニケーション系のメタバースには、
- 任天堂の「あつまれどうぶつの森」
- エピックゲームの「フォートナイト」
- 韓国ネット大手ネイバーの孫会社の「ZEPETO(ゼペット)」
などがあります。
ちなみにネイバーは、LINEやSNOWなどのサービスを展開している会社です。
「フォートナイト」はスマホやPCで参加するオンラインシューティングゲームです。
世間的には「すでにメタバースなんじゃないのか?」と、捉えられています。
現状はメタバース的なサービスといっても、スマホやPCで参加するサービスが多いです。
メタバース以前のメタバースサービス「セカンドライフ」
『セカンドライフ』は2003年にアメリカのリンデンラボがリリースしたサービスです。
2005年に『セカンドライフ』は一躍人気サービスになります。
しかし時代に対して、サービスを投下するのタイミングが早すぎました・・・。
当時の家庭用のPCのスペックでは、アバターがカクカク動き、フリーズもしていたそうです。
そんな理由もあり、『セカンドライフ』は一般の人たちが使う前に、廃れてしまったんです。
NFT系
NFT系のメタバースには
- Decentraland(ディッセントラランド)
- Sand box(サンド・ボックス)
などがあります。
NFTとメタバースって混同して、語られることが多いのですが、別物です。
NFTについては、このつぎの章にくわしく書いています。
デジタルツイン系
デジタルツイン系のメタバースだと、『世界2.0』の著者である佐藤さんのスペースデータが作ったモノが有名です。
メタバース=ゲームなどの娯楽としての目的が注目されています。
しかし、デジタルツイン系のメタバースを活用することで、その応用範囲はさらに広がります。
デジタルツイン系のメタバースは、災害時のシミュレーションに活用することができます。
現実世界のデータを基盤としたメタバースを作成し、災害が発生した際の影響や対策事前に評価。これにより、災害への備え対応策の改善に役立つことが期待されています。
また、自動運転技術の進歩においてもデジタルツイン系のメタバースは有用です。
現実の道路状況や交通インフラを再現したメタバースを構築し、自動運転車の挙動や安全性をシミュレーションすることができます。
これにより、実際の道路での試験やトレーニングの前に、安全かつ効率的な自動運転技術の開発や改善を行うことができます。
デジタルツイン系のメタバースは、短編娯楽の枠を超えて、現実世界の課題解決や新たな技術の開発にも活用される可能性を秘めています。
そのような応用が進むことで、私たちの生活や社会のさまざまな領域に進歩を実現することが期待されています。
メタバースとNFTとWeb 3.0の関係性
メタバースと混同されてしまう言葉が、2つあります。
- NFT
- Web 3.0
メタバースとNFT
まずはメタバースとNFTの関係性について説明します。
NFTの意味は「Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」です。
日本語で言うと「非代替性トークン」です。
まだむずかしいですよね 笑
簡単にいうと、「唯一性を持たせたデジタルデータ」です。
イーサリアムのスマートコントラクト機能を活用することで、イラストや音楽、写真などのデジタルデータにオリジナル性の印を付け加えることができる仕組みです。
それではこのNFTが、メタバースとどのように関係していくのか?
よく言われているのは、「メタバース内のアイテムに使われる」です。
NFT技術を使って、唯一性の保証された「レアアイテム」を作ります。
めちゃくちゃ戦闘力の上がる剣とか、そのメタバース上にひとつしかない鍵などです。
これはスティーブンスピルバーグ監督作品の『レディ・プレイヤー1』を観ると、そのイメージがすんなりと入ってきます。
メタバースとWeb 3.0
「Web3.0」もメタバースと混同して、語られることの多いワードです。
Web3.0は、「非中央集権的なインターネットサービス」です。
上司がいなくて、平社員だけの会社、みたいな感じでしょうか。
現在のSNSサービスって、結局プラットフォーム側が得をしていますよね。
YouTube、Instagram、Twitter。
どんだけせっせとコンテンツを作って投稿しても、プラットフォームが広告費として1番の利益を得ます。
Web3.0の流れは、そういったWeb2.0のの仕組みに対するカウンターパンチのようなモノです。
現状、メタバースとWeb3.0は直接的に結びついていません。
でも時代が進むと、メタバース上でWeb3.0的なサービスを使うことになる可能性もあります。
メタバースのその後
BMI(ブレインマシーンインターフェイス)
メタバースの将来像のひとつに、BMI(ブレインマシーンインターフェイス)になるという展望があります。
ブレインマシーンインターフェイスとは、脳に電極をブッ刺して、五感を刺激しようというモノです。脳に刺して電極から電気信号を送り、味覚や触覚を刺激します。
個人的には、脳に電極をぶっ刺すような時代にはならないと思います。
頭の周辺から電波を出して、それで五感を刺激するようになるのではないでしょうか。
アップロード
アップロードというのは、人間の脳ミソの中にある情報をデジタルデータ化して、コンピュータ世界にアップロードする、という考えです。
なんともSF感溢れる発想ですよね。
メタバース空間内に、故人の複製が現れるイメージです。
メタバースの発展で世界はどう変わる?
2030年代中ごろには、人々はメタバースの中で過ごす時間が多くなるでしょう。
ぼくの予想するメタバースはつぎのとおり。
- 美少女だけのメタバース
- 猫だけがいるメタバース
- 自分だけの図書館
- 過去に体験した経験のメタバース
美少女とか猫とか自分が好きな人に囲まれているメタバースを望む人もいるでしょう。
小学校の時とか。
旅行に行った時の記憶とか。
そういった過去の楽しかった思い出を追体験できるようなメタバースも出てくると思います。
つまり「メタバースは人の数だけ存在していく」という状態になると予想します。
メタバースの普及によって、新たに生まれる職業
ぼくは、つぎの職業は確実に生まれると予想します。
- ワールドクリエイター
- アバタークリエイター
ワールドクリエイターは、メタバース内に自分が企画・デザイン・設計したワールドを作り出すクリエイターです。
アバタークリエイターはアバターを作り出すクリエイターです。
ここにアバター用の衣服をデザインするクリエイターも生まれてくるのではないでしょうか。
クリエイターエコノミーの到来
メタバース社会では、ワールドクリエイターやアバタークリエイターなどのクリエイターにとって有利な社会になっていきます。
メタバース的なサービスの普及により、クリエイターエコノミーが形成される可能性があります。
メタバースは、個人や企業が自身の創造性やスキルを発揮し、デジタル空間上でさまざまなコンテンツや体験を提供する場になるでしょう。
メタバースでは、仮想空間内でのアバターやデジタルアイテムの作成、デザイン、プログラミング、ストーリーテリングなど、多様なクリエイティブ能力が求められます。
これにより、クリエイター自身のスキルや才能を活かして、新たなコンテンツや体験を提供することで収益を得ることができます。
さらにメタバースは、グローバルなプラットフォームとして機能し、国境を超えてコンテンツやサービスを提供できます。
このことにより、クリエイターの可能性や市場規模が拡大します。
またメタバース内でのコミュニティやソーシャルインタラクションの展望化もクリエイターエコノミーの成長を促進します。
エコクリエイターノミーのは、個人クリエイターや小規模なチームのたちにとって新たなビジネスチャンスを生み出すだけでなく、文化的な多様性や革新を促進し、経済全体にポジティブな影響を考慮する可能性があります。
ただし、メタバースがクリエイターエコノミーになるかどうかは、多くの要素や市場の変化によって左右されます。なので、確実なことは言えません。
スキルや知識は無価値になる
スキルや知識は無価値になるでしょう。
これはメタバース時代というよりは、AI時代に対して、言えることです。
アイデアや世界観を生み出す発想力が重要になってくるのではないでしょうか。
メタバース的なサービスに慣れしたしんだ世代が大人になったとき、市場にゲームチェンジが起きるでしょう。
公式ユーチューブチャンネルを開設した企業が増えたように、メタバースに関係のあるサービスを展開する企業も増えるのではないでしょうか。
メタバース市場は、日本にとって有利
日本には、ポケモン、ドラゴンボール、ワンピース、鬼滅の刃、といったメタバースに活用できる知財があります。
ポケモンのメタバースとか、とても楽しみじゃないでしょうか?
ポケモン世代のぼくとしては、ぜひともプレイしてみたいです!
またときめきメモリアルみたいな感じで美少女と恋愛するかも。
メタバースを理解するために触れたい小説、映画、書籍
メタバースを理解するために触れてほしい小説と映画をご紹介します。
- 『スノウ・クラッシュ』
- 『マトリックス』
- 『レディ・プレイヤー1』
- 『竜とそばかすの姫』
スノウ・クラッシュ
当記事の冒頭にもご紹介した「メタバース」という言葉を生み出した小説『スノウ・クラッシュ』です。
マトリックス
レディ・プレイヤー1
メタバース関係なく、まず映画としておもしろいんですよね!
サブカル的な小ネタがたくさん含まれていて、その小ネタを探すだけでも楽しめる映画です。
『竜とそばかすの姫』
さいごにご紹介する映画は『竜とそばかすの姫』です。
細田守監督の代表作には、『サマーウォーズ』もあります。
こちらもメタバース的な世界観を描いている映画です。
メタバースを勉強したい人に読んでほしい本
- 『世界2.0』佐藤航陽著
- 『メタバースと経済の未来』井上智洋著
『世界2.0』佐藤航陽著
『お金2.0』でも有名な佐藤さんが書いた『世界2.0』です。
とにかくメタバースについて、詳しくなりたいという人にまずはオススメしたい1冊です。
『メタバースと経済の未来』井上智洋著
駒澤大学経済学部で准教授をされている井上智洋さんの書いた本です。
経済が「どういう風に変化していくのか?」という視点で書かれています。
まとめ
さいごにメタバースの流れを書きます。
- 1992年『スノウ・クラッシュ』を発表
- 1999年 映画『マトリックス』公開
- 2014年 フェイスブックがオキュラスを買収
- 2016年 オキュラスが「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」を一般発売
- 2018年 映画『レディ・プレイヤー1』公開
- 2021年 フェイスブックが社名を「メタ」に変更
- 2023年 アップルが「アップル・ヴィジョン」を発表
アップルのアップルヴィジョンに関しては、メタバースというよりは、空間ディスプレイです。
しかしいずれはメタバース的なサービスを生み出すのではないかという予想から、書きました。
当記事の参考書籍
- 『世界2.0』佐藤航陽著 幻冬社
- 『メタバースと経済の未来』井上智洋著 文春新書
- 『Web3とは何か』岡嶋裕史著 光文社新書
- 『2030年 すべてが加速する未来に備えよ』
ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー著 NEWS PICKS
当記事を書く際に参考にしたのは上記の本たちです。
しかし読んだ本の内容以外にも、ぼくの予測や理想も含んだ記事になってしまいました。
今後もメタバース系のサービスで新しい情報がありましたら、当記事に追加していきます。
ぼくの予想では、メタバースは2025年くらいまでは普及しないと考えます。
しかし2025年を超えたころから、急速な変化が起きていき、メタバースまわりにも変化が起きるでしょう。
そんな時代に対応するためには、現状メタバースと言われている「フォートナイト」や「Zepeto」で遊んでみることが大事になってきます。
今って、どんな企業もYouTubeの公式チャンネルがありますよね。
YouTubeが登場したのは、2005年です。
そしてYouTubeが本格的に、スマホで見られるようになったのが2015年ころ。
そのころにいわゆるユーチューバーの動画を見ていた人って、仕事で有利だったと思うんです。
YouTubeの市場特性とかも掴めていて、実際に動画をUPしていなくても、どんな動画が受けるのかとかを理解していたから。
だからメタバースがバズワードになっていて、流行っている今。
メタバース的なサービスに触れておくことが、今後の時代において大切になってくるのではないでしょうか。
そして新しいサービスとかを使うのって、楽しいんですよね。話のネタにもなりますし。
だからあなたも、メタバース的なサービスで遊んでみてください。
ということで、記事は終わりです。
さいごまで、ありがとうございました!
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