先日『We Margiela マルジェラと私たち』を観たので、今日はその映画の感想を書きます。
実を言うと、僕はこの映画を劇場では観れませんでした。
そもそも上映していたこと自体知らなかった・・・。
上映後しばらくたったあと、友達に『We Margiela マルジェラと私たち』の存在を教えてもらいました。
マルジェラ・ファンの僕としては、かなりショックでしたね。自分の情報アンテナの無さをうらみました。
できれば劇場で、スクリーンで観たかった・・・。
まあ、今さら悔やんでも遅いので『We Margiela マルジェラと私たち』のDVDを借りてきて観ました。
『We Margiela マルジェラと私たち』の内容
『We Margiela マルジェラと私たち』は、
「白はその人を映し出すスクリーンだ」
という言葉から始まります。
その後、ブランドの共同創設者、ジョニー・メイレンスを皮切りに、マルジェラの周囲の人たちがマルジェラについて語っていきます。
『We Margiela マルジェラと私たち』にてマルジェラを語る人たちは、
- ジェニー・メイレンス ‐ メゾン・マルタン・マルジェラ共同創設者
- インゲ・グログニャール ‐ メイクアップアーティスト
- ヴィッキー・ロディティス ‐ セールス・マネージャー
- ルッツ・ヒュエル – ニット・デザイナー
- ハーレー・ヒューズ‐メンズウェア・デザイナー
などなど、メゾン・マルタン・マルジェラの創設当初から関わってきた方々です。
※以下ネタバレ
ちなみに、この映画にマルジェラ本人は最後まで出演しません。
正確には、昔の映像が流れる時に「彼の手」だけは映ります。
トルソードレスや、ふとんコートや、タビブーツや、くつ下セーターが出てきます。
でも、エイズTシャツは出てきません。
『We Margiela マルジェラと私たち』を観た感想
僕が映画を観た感想は、
マルジェラは「その人にとっての ‘‘ ファッションの理想 ” を映し出す鏡」のようなデザイナーだな~。
映画冒頭の「白はその人を映し出すスクリーンだ」で、この映画の答えが出ています。
この映画を観ている間中、
友人と伊勢丹でマルジェラの服を見ながら、マルジェラについて話した時。
ブックオフで掘り出した、ハイファッションのマルジェラ特集を読んだ時。
服飾学生の頃、授業で先生がマルジェラを語っていた時。
などなど、様々なマルジェラに関する記憶が頭をよぎりました。
ある人は僕に言いました。「マルジェラの作る服って ‘‘ 現代アート ” だよね」と。
ある人は僕に言いました。「マルジェラのすごいところは ‘‘ 匿名性 ” である」と。
ある人は僕に言いました。「マルジェラの魅力は ‘‘ ユーモア ” だから」と。
語る人によって、ここまで解釈にバラつきが生まれるブランドはマルジェラだけではないでしょうか。
僕の人生の中で、これまでも、これからも。
ファッション史の歴史の中で、これまでも、これまからも。
でも『We Margiela マルジェラと私たち』を観ていて気付いたんですね。
みんな、自分にとっての「ファッションの理想」をマルジェラに重ねていると思うんです。
「マルジェラの作る服は ‘‘ 現代アート ” だ」と言った友人は、ファッションの持つアート性を。
「マルジェラのすごいところは ‘‘ 匿名性 ” である」と書いた記者は、ファッションの持つ革新性を。
「マルジェラの魅力は ‘‘ ユーモア ” だから」と言った先生は、ファッションの持つ楽しさを。
それぞれが思い描く理想のファッション像を、マルジェラに重ねているんじゃないかな、と。
さいごに
ちなみに僕は未だにわかっていません。
「マルジェラがなぜ、こんなにも僕を惹きつけるのかを・・・」
もしも、マルジェラと直接話すことができて、何でも好きなことを聴けたとします。
僕は嬉しくなって、彼に色々な質問をするでしょう。
でも・・・
「あなたの服は ‘‘ 現代アート ” ですね」と言っても、
「考えすぎだよ。もっと気楽に考えようよ」って言われる気がするし。
「あなたの服の魅力は ‘‘ ユーモア ” ですね」と聴いたら、
「もっと僕の服にキチンと向き合ってよ」って言われる気がするし。
「ファッション界に ‘‘ 匿名性 ” を持ち込んだのは素晴らしいですね」と言ったら、
「匿名性ってなんのこと? 僕はただ ‘‘ 私たち ” って言葉を使ったんだよ」って言われる気がするし。
どんな質問をしても、笑ってはぐらかされると思います。
僕の中でマルジェラのイメージは、「クラスに一人は居る物静かで、ずっとニコニコ笑っていて、自分の事は話さない。でもみんなから好かれている男の子」っていうイメージですね。
最後に僕は聴きたいです。
あなたには ‘‘ マルジェラ ” はどう映りましたか?
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