「コムデギャルソンってどんなブランドなんだろう?」
当記事では、こんな疑問を解決します。
今回の記事では、川久保玲女史のブランド「コムデギャルソン」について書きました。
コムデギャルソンは、イッセイミヤケ やヨウジヤマモトと並ぶ日本を代表するブランドのひとつです。
コムでギャルソンを知るためのポイント
- ブランドの成り立ち
- パリコレデビュー 黒の衝撃
- こぶドレス
- パターンがデザインするブランド
- コムデギャルソンのライン
- コムデギャルソン出身のデザイナー
それでは参ります
ブランドの成り立ち なんで「少年のように」なんだろう?
コムデギャルソンのデザイナー川久保玲女史は、1942年に東京に生まれました。
慶應義塾大学文学部で美学を学んだ後、旭化成繊維宣伝部でスタイリストとして働きます。
その後、知人の薦めもあり、フリーランスとして独立。
そうしてスタイリストとして、働いていく中でひとつの転機が訪れます。
その転機とは、「自分がスタイリングに使いたい服がなかった」というもの。
彼女は、それならば「自分で服をデザインしてしまおう」ということで、ブランド コムデギャルソンをスタート。1973年のことです。
ちなみにブランド名の意味は、
コム デ ギャルソン=少年のように。
という意味です。
ここでひとつ「おかしいな・・・」と思うことがありませんか?
コムデギャルソンはレディスのブランドです。それだったらなぜ「少女のように」というブランド名ではなく、「少年のように」なのでしょうか?
川久保さんはブランド名の由来については、過去のインタビューにおいても明確な理由は答えていません。
理由の由来は、なんとなく外国語っぽい響きの言葉にしたかったから、とか。知人が決めました。と答えています。
しかし彼女がそんなテキトーな理由で、ブランド名を決めるとは思えません。
ユナイテッドアローズの栗野氏はつぎのように考えています。
なぜ「少年のように」なのだろう?
「少年というのは純粋な心と好奇心、そして恐れを知らない勇気を持っているから、それがブランド名の意味なのでは?西欧とは受け止め方が違うかもしれないけれど、日本では特に『少年』とは、そのように美しくとらえられているから」『high fashion』 2010年4月号 P28より 文化出版局
どうですか?なんだかしっくりきませんか?
川久保さんは順調にブランドを成長させて、日本での地位を確立します。
そしてこの頃に出会った山本耀司氏と、パリコレへでデビュー。
その2ブランドのデビューコレクションは、後世に語り継がれます。
「黒の衝撃」として・・・。
パリコレデビュー 黒の衝撃
コムデギャルソンは、ヨウジヤマモトとともに、パリコレコレクションにデビューしました。
真っ黒な服をパリコレクションで発表して、「黒の衝撃」といわれる伝説的なコレクションとなりました。
当時のパリコレは、ボディコンシャスなシルエットの女性らしい服が主流の時代。
そんな時代ににおいて、彼らの発表したボコボコと穴の開けた服は、パリのファッション関係者にはかなり異質に感じたでしょう。
この「黒の衝撃」は、当時のファッション界では、異質でした。
しかし社会全体の「女性の社会進出」的な空気感を見事に掴んでいたんです。
1997SSに発表した「こぶドレス」
コムデギャルソンが発表したコレクションで、伝説となっているコレクションは「黒の衝撃」以外にも、もう一つあります。
それは1997SSに発表したコレクション。テーマは「ボディミーツドレス ドレスミーツボディ」です。
通称「こぶドレス」。
こぶドレスは、服の中にフェザーダウン入りのパッドを入れています。人体の造形自体を作り替えたような服なんです。
柄には、パステルカラーの水色とピンクなどの、ギンガムチェック柄を多用していました。
この「こぶドレス」にはあるメッセージがありました。
それは
90年台の服でよく発表されていた、過去のファッションのリバイバル的な流れに抗うため。
です。
何人かのデザイナーは、60、70年代のレトロに焦点を合わせ、他の人たちは、いわゆるシンプルで着やすい、現実的な服にばかり固執しています。私はこれらのどのカテゴリーニモ属さない。全く新しいことがやりたいのです。
『ヴィジョナリーズ』164Pより スザンナ・フランケル著 2005年12月1日
パタンナーがデザインするブランド
コムデギャルソンはデザイナーがデザイン画を描いてパタンナーがパターンを引きません。
ギャルソンではパタンナー自らが型紙を引きながら、洋服の形を自由に決めていきます。
パターン=デザインです。そこからもうデザインはスタートしています。
(中略)
パタンナー自身もデザインするということになるんですね。『Unlimited:COMME des GARCONS』清水早苗著・NHK番組制作班編 平凡社
こんなブランドは、コムデギャルソン以外にありません。
コムデギャルソンには、川久保さん以外がディレクションを行うラインがあります。
次のページではそのラインについてご説明します。
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