もしあなたがゴリラじゃないなら読んで欲しい本があります。
それは田中泰延(たなかひろのぶ)さんが書いた『読みたいことを、書けばいい』。
この本を書いた田中さんは元電通のコピーライターで、現在は「青年失業家」として活動中。
電通で働いていたときから、エンタメ新党というWEBサイトに映画評論の記事を執筆していました。
その映画評論の記事が話題となり、この『読みたいことを、書けばいい』を書くことになります。
僕がこの本を買った理由は、冒頭の一行目がおもしろかったから。
本で「おもしろい」という言葉が使われるのは、
・その本の内容がためになる
・新しい知識が身につく
・ストーリーの展開にハッとする
ってパターンが多いと思うのですが、この本の場合は純粋にお笑い的におもしろいです。僕は本屋でたまたま表紙を見て立ち読みしたのですが、一人で笑ってしまいました。
以下がその冒頭です。
あなたはゴリラですか
(中略)
三十年以上も前の話だ。ある雑誌で「あなたの職業適性診断YES・NOチャート」というものがあった。まだ中学生だったわたしは、「自分はどんな仕事に向いているのかな?」というピュアな気持ちで、職業適性を診断したくなった。さっそく始めてみた。
【第一問:あなたはゴリラか? YES・NO】
……なにを考えているのだろうか。ここでとりあえず【YES】を選んで矢印を辿ったわたしは、衝撃的な文言を目にすることになった。
【あなたはゴリラだ。まずは人間になることを考えよう】
2019年 ダイヤモンド社 田中泰延 著『読みたいことを、書けばいい。』1~2Pより引用
この冒頭の文章を読んで、「こんなにも笑える文章を書く人がいるのか?」と衝撃を受けましたね。この冒頭に衝撃を受けた僕は早速買って帰ります。そしてついさっき読み終わりました。
今回の記事では、この『読みたいことを、書けばいい。』の内容と魅力を簡単にご紹介したいと思います。
『読みたいことを、書けばいい。』の内容
著者の田中さんが本の中で訴えているメッセージはシンプルで、「自分が読んで、おもしろいと思える文章を書く」ということ。
また『読みたいことを、書けばいい』は6つの章で構成されていて、
以下がその6つの章。
序章「なんのために書くか」
第1章「なにを書くか」
第2章「だれに書くか」
第3章「どう書くか」
第4章「なぜ書くか」
おわりに「いつ書くのか。どこで書くのか」
鋭い方なら気づくと思いますが、これは5W1Hで構成されています。
「なに(WHAT)を書くか」「だれ(WHO)に書くか」「どう(HOW)書くか」「なぜ(WHY)書くか」「いつ(WHEN)書くのか。どこで(WHERE)書くのか」
です。僕は全く気づきませんでした・・・。
こういう風に書くと、カタ苦しい文章指南の本というイメージになるかもしれませんが、全くそんな内容ではありません。
むしろエッセイを読んでいる感覚で、ページをめくる手がとまらなくなります。僕は1日もかからずに読み切りました。
『読みたいことを、書けばいい。』の魅力
この本の魅力はなんといっても田中さんの文体。文章を読んでいるのだけど、ラジオを聞いている感じというか。
まさに話すように書いている文章のお手本です。スラスラと内容が頭に入ってくる読みやすい文章。
ここまで読みやすい文章が書けるのは、田中さんには相当な読書量があるからだと考えます。プロフィールには、学生時代に6000冊を乱読。と書いてあります。
学生時代に6000冊って、すごい冊数ですよね。小中高、大学の合計年数が16年だから、単純計算で、1年=375冊、月に30冊以上。ここまで行くと読書家を通りこして、読書狂ですね。
また本の中には、「書くために読むといい本」という田中さんオススメの本が10冊掲載されています。そのリストが興味深くて、エッセイから小説、経済学の本までかなり幅が広いです。
以下がそのオススメ10冊です。
- 『ジャン・クリストフ』ロマン・カラン
- 『神曲』ダンテ・アリギエーリ
- 『資本論』カール・マルクス
- 『プロテスタンティズムの倫理と資主義の精神』マックス・ヴェーバー
- 『坂の上の雲』司馬遼太郎
- 『美人論』井上章一
- 『ローマ人の物語』塩野七生
- 『輝ける闇』『ベトナム戦記』開高健
- 『中島らもエッセイ・コレクション』中島らも
- 『狂気の沙汰も金次第』筒井康隆
このリストを見ても田中さんがかなり雑食的に本を読み漁っていることがわかります。
さいごに
僕自身も最近ブログを書いています。そんな中、pv数がどう、読者の問題解決がどう、タイトルがどうと余計なことを考えるように。
でも結局は自分が読みたいことを書けばいいんですよね。出来上がる文章の熱量も、自分の読みたいことについて書いた方が高いです。そして好きなことについて、友達に向かって話す感じで書いた記事は、pv数も高い。
今後このブログで何について書こうか迷うときも出てくると思います。そんな時は、読みたいことを書けばいいんだと気づきました。『読みたいことを、書けばいい』を読んで。
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