「お金の未来の全貌を掴め!」佐藤航陽さんの『お金2.0』を読んで。

「こんなにも未来を的確に予期していたのか・・・

これは僕が『お金2.0』を読んだ後の感想です。

 

『お金2.0』は、株式会社スペースデータ社長の佐藤航陽さんが書かれた本。

2018年のビジネス書で売上日本一を記録し、ビジネス書大賞2018の審査員特別賞も受賞しました。

 

タイトルの『お金2.0』は、「近年の急激なテクノロジーの進歩に伴い、お金自体もパソコンのOSのようにアップデートが必要になるのでは?」という考えからついています。

 

Fintech2.0
2.0は1.0とは全く異なり、近代に作られた金融の枠組み自体を無視して、全くのゼロベースから再構築するタイプのものです。本書のタイトルである「お金2.0」もここから取っています。2.0のサービスは概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融の知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年 P29より

 

ちなみに『お金2.0』が書かれたのは2017年。
当記事を書いている現在が2022年なので、この本が発行されてから、5年の月日が経ちました。

5年も経っているので、「内容が古くなっているのでは?」と、読もうかどうかの迷いはありました。

しかし5年経った “今” 読むからこそ、内容を深く理解できて、学べるところがあるんです。

なぜなら、『お金2.0』で書かれている「お金と経済の予想」に、現実がどんどんと近づいることに気が付けるから。

 

当記事では、『お金2.0』を読んで学べる3つについて書きました。

 

『お金2.0』を読むと、こんなことが学べます。

ぼくが『お金2.0』を読んで学んだことは、つぎの3つです。

  1. そもそも「お金」ってなんなの?
  2. これからの「お金」の未来
  3. 資本主義→価値主義への変化、そしてベーシックインカム

 

『お金2.0』のスタートはつぎの問いの説明からはじまります。

「ぼくたちがふだんの生活において使っているお金ってなんなんだろう?」

そういった根本的な部分を「経済の成り立ちや仕組み」といった内容とともに、ヒモ解かれていきます。

 

そしてそのつぎは、「お金の未来」について学べます。

少し前に話題になったAiやブロックチェーン技術によって、お金はどう変わっていくのか?

その部分について書かれています。

 

さいごは資本主義がオワコン化していく中で出てくる「価値主義」という考え方について学べました。

資本主義の発展によって、生まれた「お金に働かせてお金を生み出す」というシステム。

そのシステムが終わりに近づいているというものです。

 

ということで上にあげた3つのポイントを、もう少しくわしく書いていきます。

 

mae-nishi

それでは参ります!

 

そもそもお金ってなんなの?

お金はその人の信用を目に見えるようにしたもの

ぼくたちがコンビニやスーパーで日常的に使っている「お金」って、そもそもなんなのか?

『お金2.0』では、お金はもともと「物物交換の不便さを補うため」に進化してきたと書かれています。

 

お金には価値の保存・尺度・交換の役割があると言われています。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年 P31より

 

お金ができる前の人々は、自分の持っているものと他人が持っているものを交換することで、暮らしていました。つまりは物々交換。

でもそれだと不便な場合があったんですね。

それはつぎのようなケース。

果物などの生鮮食品と衣服を交換しようとした場合、衣服は長い間、保管ができる。

だけど果物は時間が経てば腐ってしまう。

他にも米俵などの重いものも、遠方の人と交換しようとしたら、交換が決まっていない交渉のときなどにわざわざ運ぶのは面倒です。

そんな中で生まれたのが「お金」というシステムです。

時間が経てば腐ってしまう果物も重い米俵も一度「お金」と交換して、価値を残しておく。

こっちの方が圧倒的に便利で効率的ですよね。

 

お金の正体について、ホリエモンの本にはこう書いてあります。

もともと通貨とは、個人間の信用を顕在化させただけのものだ。

堀江貴文著『これからを稼ごう』徳間書店 2018年6月 P30より

 

こちら↓の動画内24:13〜の成田悠輔さんの説明も、わかりやすいです。


TALK1 <Keynote> NEW REAL.

 

つまり「お金」というのは、その人が過去に行った労働や得た資産を長期的に残しておき、他の人にも信用してもらうための道具なんです。

 

個人と個人の間の信用を、ドラゴンボールのスカウターで見える戦闘力みたいに数字として見えるようになったもの。それがお金ですね。

信用を保証するための存在の「お金」ですから、素材は誰もが手に入れられる物だと困ってしまう。

 

mae-nishi

それだと偽造できまくりですからね!

 

だからお金の素材には、キレイな貝殻、金銀といった金属などのふつうに生活していたら、なかなか手に入らないものが用いられたんです。

そして最終的にお金は、持ちやすさや運びやすさを追求する中で、中央銀行が発行する紙でできた紙幣が誕生。

しかし

お金のゴール=紙幣

かというと、そうではありません。

ぼくたちが普段暮らしていて、お金を見ることがあるか?と言われると、そんなことはありませんよね。

クレジットカードやペイなどの「電子マネー」が主流になっています。

さらに最近では「仮想通貨」なんてのも、登場しました。

 

お金の成り立ちをまとめるとつぎのようになります↓

キレイな貝殻

金銀などの金属

中央銀行が発行する券

電子マネー

仮想通貨?

 

時代を経るごとに、さまざまな素材や形に変わってきたお金。

そんなお金の未来はどうなるのか?

 

mae-nishi

つぎに続きます。

 

これからのお金の未来

キーワードは「お金の民主化」です

これからのお金はどうなっていくのか?

お金は将来的に国家のみが創り出す特別なものではなくなり、個人でも創ることができる民主化した存在になっていくでしょう。

 

お金の未来を考える上で、重要なキーワードが2つあります。

  • 分散化
  • トークンエコノミー  

 

分散化

お金の未来を考える上で大切なキーワードのひとつ目は「分散化」です。

「分散化」とは一部の業界を除いて会話で使われることは滅多にありませんが、これは既存の経済や社会のシステムを根本から覆す概念です。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年 P112より

世界の政治や経済は今まで「中央集権化したシステム」でまわっていました。

中央集権化している組織には、かならずその組織をまとめるリーダーがいます。

そのリーダーが組織の進むべき方向から、組織の人選までを決めていました。

こういった方法が今までの社会においては最適解だったんです。

でもあくまで今までは、です。

インターネットやスマートフォンが発達する以前の社会は、すべての人々は同じように情報を持っていませんでした。

情報を持っているのは、その情報を得られる立場にある人か、積極的に情報を得ようとしている人のみでした。

この状態を佐藤さんは『お金2.0』で「情報の非対称」という言葉で表現しています。

しかし現代社会では、みんながスマートフォンを持ち、好きな場所で好きな時に情報を得ることができます。

そうなると今まで情報を持っていた特権階級的な人々は力を持たなくなる。

事件や事故が起きた時に、ニュースを見ないでも、ツイッターで検索した方が現場の空気感がわかるなまなましい映像を見ることができますよね。

また近年では、芸能人もどんどんと芸能事務所を辞めていっています。これも分権化の一種ではないでしょうか。

今まで芸能界では、テレビというメディアが強い権力を持っていました。

しかし最近はユーチューブやTiktokなどのSNSの発達により、テレビに出なくても芸能活動は行えるようになってます。

芸能活動の分権化と考えられます。

 

トークンエコノミー

お金の未来を考える上で大切なキーワードのふたつ目は「トークエコノミー」です。

正直5年前にこの部分を読んでいても、理解できなかったと思います。

しかし最近、話題のWEB3.0、メタバースやD.A.Oなどの知識があると、理解できます。

誰もが自分の世界を作り、その中に経済圏も作り出す。

そしてその世界に通貨を発行するかもしれません。

 

誰もが世界を作り、その経済を回すための「お金」を自分たちが発行する。

今の自分にはピンと来ませんが、2030年代にはこのようなシステムを理解していると思います。

 

『お金2.0』には書いてありませんが、最終的にお金の価値がなくなり、原始と同じような物々交換社会になっていくのではないでしょうか?

ぼくはそう考えます。

 

経験や知識と食べ物や衣服、サービスを交換する。

そんな未来が待っている気がします。

つぎの動画の成田悠輔さんの12:54〜の説明がわかりやすいです。

 

 

お金の未来について書いてきましたが、お金が中心に回っている社会を「資本主義社会」と言います。

佐藤さんはその資本主義社会が終焉に近づいているのではないか?とも書いています。

その内容は、つぎのとおり。

 

資本主義→価値主義への変化、そしてベーシックインカム

資本主義は終わりを迎えている?

資本主義社会では、国家が市場に介入せず、企業や個人の自由競争に任せておきます。

そうすれば、おのずと良いサービスや商品が生まれるという考えに基づいたシステムです。

その結果、投資信託などの株式投資の商品が生まれました。お金がお金を稼ぐ仕組みですね。

しかしその商品があまりにも、複雑になりすぎたため、商品を作っている本人もなにがどうなっているのかわからないのではないでしょうか。

これが資本主義というシステムの限界です。

 

さきほど書きましたが、お金はもともと物々交換の道具でしたよね。

その道具であったはずのお金でお金を作り出せるようになってしまいました。

ぼくも株は持っているので、恩恵は受けているのですが 笑

でもこの人間の道具であるお金でお金を生み出せるようになったことで、道具であるお金を集めることが人間の目的になってしまったんです。

だからぼくも含め、多くの人はお金がすべてととらえるようになってしまいました。

 

しかし株式はどんどんと値上がりしていますし、近年のインフレなどを見てもわかるように物の値段もどんどんと上がっています。

つまりお金自体の価値は下がり続けているということです。

こうなってくるとお金が果たしていた

価値の保存・尺度・交換

は他のもので代替が可能になります。

 

わかりやすいのがSNSのフォロワー数ですね。

貯金ゼロ円だけど多くの人に注目されていてツイッターのフォロワーが100万人以上いる人が、何か事業をやりたいと考えたとします。すぐにタイムライン上で仲間を募り、クラウドファンディングを通して資金を募り、わからないことがあればフォロワーに知恵を借りられます。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年 P156より

 

たしかに貯金がたくさんある状態よりも、SNSで多くのフォロワーがいて世間への影響力が強い人の方が社会的・経済的な成功を収めることができるでしょう。

 

将来的にはベーシックインカム導入?

今後Aiが発達していった社会では、多くの人の仕事は溶けていくと考えます。

無くなるではなく、溶けていくと表現したのは、何か作業をして金銭等の報酬をもらうという仕組みが無くなるとは思えないからです。

人間が嫌々やっていた作業がどんどんとAiに代替されていくでしょう。

これからはみんながある種のユーチューバーのような働き方になると考えます。

そんな未来が来ると「ベーシックインカム」を導入する国も増えてくるでしょう。

 

ベーシックインカムとは、生活するための必要最低限の生活コストを国民全員に支給する仕組みです。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年11月 P185より

 

つまりは国民全員が生活保護状態にあるという状態ですね。

ベーシックインカムについては、ある動画配信者の話で知っていました。

そうですひろゆきさんです。

 

ベーシックインカムはひろゆきさんの本にも書いてある

ひろゆきさんも著書の中で、ベーシックインカムについて書いています。

 

その内容は、つぎのとおり。

ベーシックインカムは、財政上、試算した限りは実現できます。
月7万円を国民全員に配ろうとすると、93兆円が必要です。
高齢者を含めて国民全員を医療費3割負担にし、生活保護費をなくし、相続税を増やし、年金制度も徐々にシフトさせて捻出するのです。


ひろゆき著『働き方 完全無双』徳間書店 2018年6月 P113より

ベーシックインカムは、2022年現在に20代の世代が還暦を迎えるまでには、確実に実現しているとぼくは考えます。

しかし10年以内の実現は、正直ありえないでしょう。

実現してくれたら、幸せが溢れ出すのですが 笑

 

ひろゆき氏も「ベーシックインカムの実現はむずかしい」とも書いています。

それは日本が少子高齢化社会だから。

ベーシックインカムを導入するには、今よりも高齢者には厳しい社会になってしまいます。

そうなると高齢者たちが導入を良しとはしないでしょう。

日本はシルバー民主主義社会ですからね・・・。

 

だからベーシックインカムに対しての過度の期待はよくありません 笑

 

著者の佐藤さんは、ベーシックインカムを国として導入しないまでも、Googleなどの大きな企業が展開する可能性もある、と書いています。

グーグルが自社の製品しか利用できないけれど無料で住めるアパートのようなものを提供することも十分に考えられます。その家は、グーグルのWi-Fiが無料で使えて、パソコンとスマホは全てグーグル製でChromとAndroidがあり、グーグルHomeが置いてあり、家全体はグーグルNestによって制御されています。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年11月 P186より

こういった環境下に人々を住まわせることで、生活データを得て、改善につなげていくでしょう。

ただこの部分は明確なソースなどはない、佐藤さんの推測に過ぎません。

でもどうでしょう、あり得そうな気がしませんか?

ぼくはあり得る気がします。

 

そういったベーシックインカムが普及した後の世の中では、どうなるのでしょうか。

人々は嫌々会社に行く必要はなくなり、もっと自分がやりたいことにフォーカスして暮らしていると思います。

 

さいごに

著者の佐藤航陽さんの先見の明は凄まじい

当記事では『お金2.0』について、つぎの3つのポイントをもとに記事を書きました。

  1. そもそも「お金」ってなんなの?
  2. これからの「お金」の未来
  3. 資本主義→価値主義への変化、そしてベーシックインカム

 

ぼくが『お金2.0』を読もうと思ったのは、佐藤さんが書いた『世界2.0』を読んだからです。

『世界2.0』がめちゃくちゃおもしろかったので、この人が書いた他の本も読んでみようということになり、読んでみました。

佐藤さんの著書を2冊読んで感じたのは「この人の先見性は恐ろしな・・・」という気持ちです。

『お金2.0』でお金や経済の未来を予想して、それにどんどんと近づいている佐藤さんは現在何をしているかというと、株式会社スペースデータでメタバースを作っています。

数年前にここまで解像度高く、未来のお金の形が見えていたかと思ったら、今はメタバース事業を行なっていますからね。

しかもフェイスブックが社名を「メタ」に変える前ですから。

 

ちなみに『お金2.0』の執筆には、ライターを使わず、佐藤さんがご自分で書かれたそうです。

編集者の箕輪さんも校正まで考えるのはすごいと感心していました。


【座右の本】YouTube・TikTokに隠れる世界の正体とは… [佐藤航陽]【後編】

 

このインタビューもおもしろくて、何回も繰り返し見てしまいました。

 

インタビュー中に『天』というマンガを紹介していて気になったので、早速Amazonで買って、この前読みました。こちらも今度ブログで紹介します。

 

『お金2.0』を読むと、不安が減って何かに熱中する後押しになる

ぼくは以前からお金や自分の将来について、漠然とした不安を持っていました。

少しは貯金もありますが、そんなにたくさんではない。

特別なスキルも大してない。

でも『お金2.0』を読むことで、そんな漠然とした不安からすこしだけ解放された気がします。

 

少し肩の荷が下りた感じでしょうか。

 

ぼくが『お金2.0』で特に好きなのは次の文章です。

「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ

内面的な価値が経済を動かすようになると、そこでの成功ルールはこれまでとは全く違うものになり得ます。金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。

佐藤航陽著『お金2.0』幻冬舎 2017年 P222より

何かに熱中している人ほど、結果的に利益を得られる。僕らに待っているのは、そんな未来でしょう。

 

著者の佐藤さんも、インタビューでリフティングを繰り返していたら、1万回を超えたあたりでまわりに人が集まってきた。

といっています。

そんな感覚で、自分が本当にやりたいことや熱中できることに本気でリソースを投下していくと、お金もおまけでついてくるのでは、という感じです。

 

だから自分が時間を忘れられるくらいに熱中できることにリソースを割くのが、一番コスパがいいのかなと思います。

 

冒頭でも書きましたが、『お金2.0』が発行されてから、5年の月日が経っています。

本としては少し古くなっています。

しかしぼくはお金2.0を読むことで、お金や将来に対する不安が和らぎました。

といっても、楽観的になったというよりは、もう少し自分が好きなことややってみたいことに時間やエネルギーを使おうという感じです。

正直、すこしむずかしい部分もありました。しかし『お金2.0』を読むことは、良質な読書体験でした。

『お金2.0』はお金に対して漠然とした疑問や不安を持っている方に今だからこそ読んで欲しい1冊です。

お時間ございましたら、ぜひ手に取ってみてください!

 

 

お金の成り立ちや未来、仮想通貨にご興味がある方には、堀江貴文さんの書かれた『これからを稼ごう』もオススメの1冊です。

『お金2.0』と一緒に読むことで、より理解が深まる読書になります。

以上で記事は終わります。

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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