「UNDERCOVERの「SCAB」を手仕事、解体と再構築、エスニックの3つのキーワードから解説」という記事では、UNDERCOVERの2003SSコレクションについて書きました。
まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
つづく2003AWシーズンに、UNDERCOVERが発表したコレクションのテーマは「paper doll」。
UNDERCOVER 2003AW Collection「paper doll」
このシーズンで高橋氏はまさにペーパードールみたいな服を発表しました。
裏側にスナップがついていて、取り外しができるんです。
今回はこの「paper doll」について、2つのキーワードをもとに書きます。
- パリコレをパロディ化
- トレンドにピッタリハマった「クラシカル」の要素
それでは参ります
1.パリコレをパロディ化
「paper doll」の服はパリコレというファッションの本場をパロディ化しているんです。
言ってしまえば「笑える」服なんです。
この「笑える」という感覚は高橋氏のデザインではとても大事な感覚です。
作り込めば作り込むほどに、笑いの度合いが増すようにというのが狙いでした。とにかく笑い飛ばして欲しかったんです(笑)
『Fashion News』2003年 6月号 INFAS社 41Pより
ただふざけるだけでは、ファッションとしては成立しないでしょう。
しかし彼は「真面目にふざけている」から、彼の作る服はモードとして、ハイファッションとして評価される服になっています。
2.トレンドにピッタリハマった「クラシカル」の要素
「paperdoll」の服たちは、かなりクラシカルな服ばかり。
素材にはツイードやファーなどの素材を使っておりますし。
デザインやカッティングは、往年のバレンシアガやディオールを彷彿とさせる物ばかり。
また2003AWシーズンには、いわゆる「クラシカル」な服を発表したブランドが多かったんです。
- ジュンヤワタナベ
- オリビエ・ティスキンス
などなど。
この2003AWの「クラシカル」というトレンドのポイントとしては、
- ツイードに代表される典型的なメンズ素材を使った新しいスタイル
- 1940年代のパリオートクチュールメゾンからの影響
がありました。
「paperdoll」の服はこの2つのポイントを網羅しています。
ファッションの不思議なところなのですが、たまにデザイナー同士が似たような服を作ることがあるんですよね。
もちろんどちらかがどちらかの真似をしているわけではなく。
自分自身が今いちばん新しい服を作ろうとしたら、たまたま同じ方向を向いている。
みたいな。
「paperdoll」の服が掲載された雑誌
- 『装苑』 2003年 8月号 8~13p
- 『SENSE』 2003年 10月号 26~45p(メンズ)
- 『MEN’S NON-NO』 2003年 8月号 70~77p(メンズ)
このシーズンの雑誌の中でおすすめなのは、『装苑』 2003年 8月号です。
おすすめは『装苑』です
この『装苑』 2003年 8月号では、ヘア&メイクは加茂克也氏です。
そして服はもちろんのこと、小物のセンスが最高なんです!
スケスケの人体模型とか。
C-3POのフィギュアとか。
いかにもUNDERCOVERっぽい小物たちにテンションが上がります。
さいごに
今回は2つのキーワードをもとに、UNDERCOVERの2003AWコレクション、「paper doll」について書きました。
- パリコレをパロディ化
- トレンドにピッタリハマった「クラシカル」
この次のシーズンには、まるで「溶けてしまったような服」を発表します。
テーマは「Languid」です
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