(こちらの記事は2020年4月30日に更新しました。)
「本多孝好さんの小説って数が多くて、どれから読めばいいのかわからない・・・」
「本多孝好さんの小説ってどの作品が面白いんだろう?」
当記事では、こういった疑問にお答えします。
はじめに:本田孝好さんについてカンタンにご説明
- 1971年東京都生まれ
- 慶応義塾大学法学部卒業
- 94年に「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞
- 99年に同作を収録した『MISSING』で単行本デビュー
- ちなみに映画「SP」の脚本を手掛けた金城一紀さんとは大学の同級生
- 小説を書き始めたキッカケも金城さんの影響
結論:僕がおすすめする本多孝好さんの小説5冊
- 『MOMENT』
- 『MISSING』
- 『FINE DAYS』
- 『正義のミカタ I’m a loser』
- 『dele』
僕が本多さんの小説を初めて読んだのは、中学3年生の時。
家族と一緒に行った近所の本屋でのことです。
平積みされていた本田さんの文庫本をなにも考えずに手に取って、父に買ってもらいました。
そして家に帰って読み始めてみると、その小説が面白すぎてページをめくる手が止まらなくなったんです。
そこからは彼の小説に魅了されて、デビュー作から順番に買っては読んでいきました。
今では新刊が発売されるのを、「まだか?まだか?」と楽しみにしている「本田孝好ファン」のひとりです。
そんな僕が本多孝好さんの小説の中から“特におすすめしたい5冊”を選びました
それでは参ります。
BEST 1.『MOMENT』
オススメの1作目は『MOMENT』です。
『MOMENT』は病院が舞台の小説です。
内容は主人公の神田くんがアルバイト先の病院で「死を前にした患者の願いをひとつずつ叶えていく」というストーリー。
僕の中で、本多さんの代表作といえばこの『MOMENT』。
間違いなく今までの人生で、一番多く読んだ小説です
学生の時は、 “主人公の言葉選び” や “少し斜に構えた世間への考え方” が好きで読んでいました。
しかしいつの間にか主人公より年を重ねた “今” あらためて読んでみると、
「人が死に直面した時にどんな行動を取るかで、その人がどういう人間かわかる」
と考えさせられます。
ありきたりな言い方ですが、読むたびに読み味や、感じ方が変わる作品です。
『MOMENNT』の続編には、つぎの2冊があります。
- 『WILL』
- 『MEMORY』
もし『MOMENT』を読んで面白かった方は、ぜひこの2作を読んでみてください。
この2作品では、主人公と幼なじみのその後や過去について描かれています。
主人公が幼なじみに渡したポケットティッシュとか、「あの時のあれには、あんな意味があったのか!」と気づかされる作品です。
BEST 2.『MISSING』
続いては本多さんの単行本デビュー作の『MISSING』です。デビュー作ですが、初の著書とは思えないほどの完成度。
『MISSING』は計5作の短編が収録されていて、第16回小説推理新人賞を受賞している「眠りの海」も良いのですが・・・
僕がオススメしたいのは「瑠璃」です!
「瑠璃」は本多さんの著書の中でも、“最も本多作品のエッセンスが詰まった作品の一つ” です。
主人公の幼なじみのルコが “僕” に最後に出したなぞなぞは、読む人によって解釈が変わってくると思います。
そうやって物語全体に、少し余韻を持たせて終わらせているところもまた最高です。
BEST 3.『FINE DAYS』
本多作品では、珍しい恋愛短編小説です。
しかし本多さんらしく、直球の恋愛小説には仕上げていません。恋愛小説にSFやミステリーの要素を加えています。
『FINE DAYS』には計4 作の短編が収録されていて、塚本高史さん主演で映画化された「イエスタデイズ」も良いのですが・・・
僕がオススメしたいのは表題作の「FINE DAYS」です。
正直、「FINE DAYS」は恋愛小説として読んでも、面白くはありません 笑
しかし主人公のセリフやストーリー展開などが抜群におもしろい。
あと読んでいると自分の高校生活を思い出します。
なんというか、懐かしいような、くすぐったいような不思議な心境になります。
物語全体に一つのトリックが仕掛けられています。
僕は見事にひっかかってしまいました・・・。
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