「メタバース」。
最近よく聞くバズワードです。
ツイッター、テレビ、新聞でも、この言葉を見かけることが多くなりました。
最近では、web3、NFT、ブロックチェーンなどなど、始めて聞く言葉がどんどんと出てきます。
以前はサービスや現象が広がったあとに、言葉が生まれていた印象がありましたが、現在は言葉が選考して生まれている印象があります。
僕自身も「メタバース? またよくわからない言葉がでてきたな・・・」という印象でした。
今回の記事では、僕のように「メタバース」という言葉を聞いたことがあるものの、深く理解できていない方に向けて書きました。
そしてそんなメタバースを理解していただくためにも、ある1冊の本をご紹介します。
佐藤航陽さんが書いた『世界2.0』
「メタバース」という言葉を理解するための入門書として、佐藤航陽さんが書いた『世界2.0』を強くオススメします。
著者の佐藤さんは、株式会社スペースデータ代表取締役社長。
株式会社スペースデータでは、衛星データと3DCGの技術を組み合わせて、バーチャル空間上にもうひとつの地球を作るAiを開発しています。
こちらの動画は株式会社スペースデータが、Aiで自動生成したニューヨーク市マンハッタンの動画です。
つまり佐藤さん ご自身が、メタバース業界の第一線で活躍する人なんです。
メタバースのプロフェッショナルである佐藤さん。
彼の書いた『世界2.0』を読むことにより、バズワードである「メタバース」への理解が深まります。
またメタバースの時代に備えて、今やっておくべきことも、わかります。
メタバースとは?
まずそもそもの「メタバース」の意味をご存知でしょうか?
メタバースとは、「インターネット上に作られた3Dの仮想空間」のことです。
アメリカの作家ニールスティーブンスンの『スノウクラッシュ』という小説に登場した言葉です。
メタバース的なサービスって?
現在普及しているメタバース的なサービスは、次のとおり。
- Epic Gam esの『フォートナイト』
- 任天堂の『あつまれ どうぶつの森』
- ネイバーゼットの『ZEPETO』
すでにメタバースを利用したプラットフォームというのは、確かに存在しています。
しかし現状のメタバースというのは、スマホやPCなどの画面上でプレイするものばかり。
これからのメタバースはどんどんと発展していき、もっと没入感のあるコンテンツになるでしょう。
メタバースが普及した未来のイメージ
未来で待っている没入感のあるメタバースをイメージしやすくなる映画があります。
それはスティーブン・スピルバーグ監督の「レディプレイヤー1」です。
ぼくがメタバースが人類に普及した未来のイメージとして、一番近いのは「レディプレイヤー1」だと考えています。
上記の映画のように未来の人々は、ヘッドセットディスプレイを装着して、仮想空間で過ごすようになるでしょう。
そしてゲームをプレイしたり、仕事をしたり、友人や家族と会うと思います。
現在の画面でだけ完結する2D上の仮想空間ではなく、ユーザーが没入する3Dの仮想空間。
そんな未来が待っています。
しかし没入型のメタバース普及には、ひとつのハードルがあります。
それはヘッドセットディスプレイを装着しないといけないこと。
上記はMeta社が発売している「オキュラスクエスト」。
現状のヘッドセットディスプレイは、大きくて重たいゴーグルのような形状です。
人類にはこのゴーグルのような大きさと重さのものを頭につける習慣がありません。
しかしZ世代には、ヘッドセットディスプレイをつけることが習慣化するでしょう。
またテクノロジーの進歩により、デバイスはどんどんと小型化していき、ドラゴンボールのスカウターのような感じになるのではないのでしょうか。
もしくはゴーグルを付けなくても、映像を目の前に映写してくれるデバイスが登場するかもしれません。
初期の携帯電話が肩からかけるショルダーバッグのような形状だったのが、それから数年後にはポケットに入るようなサイズになったようなのと同じ変化が起きるでしょう。
セカンドライフの二の舞になる?
メタバースブームが起きていますが、それは一瞬のブームに過ぎず、インフラ等での人類への普及はしないのでしょうか?
ぼくは知らなかったのですが、2003年に登場した「セカンドライフ」というサービスがあったそうです。
ホリエモンなどのITに詳しい人物などは、インタビューでメタバース的なサービスとして、一昔前に「セカンドライフ」というサービスがあったが、流行らなかったと言っております。
今回のメタバースブームも、「セカンドライフのように流行らず、一過性のものになる」と考えている人もいます。
しかし著者は「今回のメタバースブームは、セカンドライフの二の舞にはならない」と書いており、僕自身もそう思います。
なぜなら次の3つのテクノロジーが向上しているからです。
セカンドライフ登場時からの変化
- コンピュータの性能
- 通信速度
- 3DCG技術
まずは「コンピュータの性能」は爆上がりしていますよね。
セカンドライフがブームになった2003~5年のときのPCと今のPCの性能を比べたら、とんでもない差があります。当時はまだスマホも発明されていない時代です。
通信速度もセカンドライフのブーム時には、家庭に光回線し始めた頃ですが、5G時代である現代とだと、比べ物になりません。
また数年前には一部のエンジニアやデザイナーしか扱うことのできなかった「3DCG」の技術は、どんどんと開かれてきています。
こちらの動画は現役の高校生が無料の3DCGソフト「Blender」を使用して半年で作った作品です。
このように3DCGの技術も民主化が起こっています。
上記の理由から、今回のメタバースブームはセカンドライフ時のような一過性のブームで終わらないと考えられます。
メタバース時代はどんな時代になるのか?
それではこれから数年後にメタバース時代がやってきたら、どのような未来が待っているでしょうか。
個人がツイッターのアカウントのように世界を創る
SNSのアカウントを解説するような手軽な感覚で、自分だけの3次元世界を作り出せるようになるでしょう。オリジナルな3次元空間と自分のアバターを、個々人が当たり前のようにもつ時代がやってくるのです。
『世界2.0』佐藤航陽著 幻冬舎 2022年3月 217Pより引用
人々はツイッターのアカウントのように、メタバースも何種類かの世界を創り出すでしょう。
1人が5〜6世界を創り出すような未来です。
そんな自分が創り出したメタバースに友達を招いて遊びます。
またコミュニケーションの場としてのメタバースだけではなく、個人の私利私欲を満たすためだけのメタバースも生まれるのではないでしょうか。
- 猫が好きなら、自分以外は猫だけのメタバース
- 異性が好きなら、自分以外は異性だけのメタバース
- 読書が好きなら、世界中の本だけが集まった図書館のようなメタバース
こういった現実世界では到底実現が不可能な世界を実現することが、メタバースのある未来なら可能になると考えます。
ルネッサンス2.0の到来
またメタバースが普及した未来では、「クリエイターエコノミー」の時代にもなります。
NFTやweb3の到来でルネッサンスのようにクリエイターが食べていける時代です。
これは個人的にはめちゃくちゃ楽しみな時代です。
まとめ
『世界2.0』を読んで、メタバースを理解することは、未来を理解することに等しいでしょう。
ぼくは確実にメタバースが中心に生活する未来が到来すると考えます。
そのような未来に備えてできることはたくさんあります。
もしも10年前に戻って、YouTube全盛の現在を予測できていたらどうなっていでしょうか?
この時代に備えて、Youtubeに動画をUPしたり、動画編集の技術を学んでおけました。
今、メタバースが到来する未来に向けて行動はできます。
3DCGのソフトの勉強をしたり、メタバースのサービスで土地を買ってみたり、自身のビジネスにメタバースの流れが来ることを予想しておいたりと。
またメタバースで実際に参入しないとしても、メタバースの知識を学んでおくことは大切でしょう。
僕はとりあえずblenderを使い、3DCGの勉強から始めたい。
あなたも『世界2.0』を読んで、メタバースについて学んでみませんか?
佐藤さんの過去の著書には『お金2.0』があり、こちらは「ビジネス書大賞2018」の審査員特別賞も受賞して、20万部も売り上げています。おすすめです。
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