「本屋大賞の受賞作を全部読んでみよう」
なぜか急にそんなことを考えた、2025年の5月。
社会人として働き始めて10年ほど、毎日の仕事に忙殺されていて、正直 本を読み時間を作り出すのもむずかしい。
せっかくの貴重な時間を使って、本を読むのならなんとか「おもしろい小説」を読みたい。
そんな時に思ったんです。
「本屋大賞の受賞作って、ハズレがないんじゃないか・・・?」 って。
ちなみに本屋大賞というのは、毎年4月に全国の書店員が「いちばん!売りたい本」を1冊投票して決められた賞です。
1月に10冊のノミネート作品が決められます。
まだ読んでいない本屋大賞受賞作
『天地明察』『謎解きはディナーのあとで』『海賊とよばれた男』『村上海賊の娘』『鹿の王』『羊と鋼の森』『かがみの孤城』『そして、バトンは渡された』『流浪の月』『52ヘルツのクジラたち』『同志少女よ敵を撃て』『汝、星のごとく』『成瀬は天下を取りにいく』『カフネ』
読んでいないのは、本屋大賞受賞作は上記の14冊。
けっこうあります。
ということで記念すべき企画1冊目です。
『羊と鋼の森』 宮下奈都著 文春文庫 2025年5月10日読了
まずは1冊目。2016年の本屋大賞受賞作の宮下奈都さんの『羊と鋼の森』です。
受賞作の中ではページ数が少なめだったので、さいしょに手に取りました。
この作品は、5日ほどかけて読み終わりました。
あらすじ
主人公は、ピアノの調律師として働く青年の外村くん。
『羊と鋼の森』は、外村くんが高校生の時に同じく調律師の板鳥さんとの出会いをキッカケとして、調律師を目指す物語。
ぼくは『羊と鋼の森』を読み、はじめてピアノの調律師という職業があることを知りました。
そしてこんなにもニッチな職業に就いている主人公の周辺に起きる出来事を、こんなにもおもしろく、かつ誰にでも伝わるように書いた宮下さんの想像力と現実感のバランスにおどろきです。
『羊と鋼の森』の好きな部分
『羊と鋼の森』で、ぼくが好きなのは登場するキャラクターたちの魅力です。
彼ら彼女らは、決してフィクションに登場するような個性が強いキャラではありません。むしろその逆で自分のまわりにも居そうな人ばかりです。
でも不思議と魅力的なんですよね。
作中でぼくが特に好きなのは、主人公の職場の先輩の柳さんです。
外村くんと柳さんとの関係性が本当に最高なんですよ!
なんていうか決して偉そうにはしていないのですが、でも頼りになって、親しみやすくもあります。
人生でこういう先輩に一度は出会ってみたかったと思わされました。
柳さんは仕事のことを主人公に伝える時によく「たとえ話」をするのですが、その中でも特に印象的だったのが、次の内容です。
「半熟でも、とろっとろがいい人もいれば、しっとりしてる程度でいい人もいる。ちなみに俺はしっとりぐらいがいい。塩とオリーブオイルをちょっと垂らして食べると最高だよな」
宮下奈都著『羊と鋼の森』文春文庫 2018年2月10日 P42より
読んだ後にゆで卵にオリーブオイルと塩を垂らして食べるのを、実際に試してみたのですが、うまかった・・・。
さいしょにも書きましたが『羊と鋼の森』は、ページ数も文庫で270ページと、本屋大賞受賞作の中ではそこまで多くありません。
だからサクッと読めます。休みの日だったら1日で読み切れるのではないでしょうか。
ぜひ読んで欲しい!
まとめ
さいごに『羊と鋼の森』を読んで欲しい人は、何かを日々継続して頑張っているのに結果が出なくて落ち込んでいる方です。
なかなか思う通りにいかない状況でも、あきらめずに直向きに前に進もうとしている主人公の姿勢を見ていると、力をもらえると思います。
映画化もされているから、いつか観てみよーっと。
ということで記事は終わりです。
さいごまで、ありがとうございました!
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