【ハードロックから影響を受けた Radio Ethiopia】パティ・スミスの生い立ちをキーワードで解説 Part-4

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(こちらの記事は2020年3月22日に更新しました。)

パンク女王 パティ・スミスの生い立ちをキーワードで解説 Part-3 【ロックの名盤 Horses】」という記事では、

 【Horses】のパティを知るためのキーワード 

  • “詩とロックンロール” の融合を実現したアルバム
  • プロデューサーは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイル
  • 盟友メイプルソープが撮影した、ジャケットカバー写真
  • オススメは〈Redondo Beach 〉〈Break It up〉〈Land〉の3曲

と、上記のキーワードをもとに、僕の大好きなミュージシャンのパティ・スミス。

 

彼女のファーストアルバム『Horses』について書きました。

 

読んでない方は、是非こちらの記事も読んでみて下さい。

 

今回の記事では、パティが1976年に発表したセカンドアルバム『Radio Ethiopia』。

 

このアルバムの解説と共に、彼女の半生を追っていきたいと思います。

 

セカンドアルバム『Radio Ethiopia』 そして落下

 Radio Ethiopia(ラジオ・エチオピア)
 1976


  1. Ask the Angels (アスク・ジ・エンジェルス)
  2. Ain’t It Strange (エイント・イット・ストレンジ)
  3. Poppies (ポピーズ)
  4. Pissing In A River (ピシング・イン・ア・リバー)
  5. Pumping (パンピング)
  6. Distant Fingers (ディスタンス・フィンガース)
  7. Radio Ethiopia (ラジオ・エチオピア)
  8. Abyssinia (アビシニア)

 

Patti Smith – Vocals , Guitar
Lenny Kaye – Guitar , Base , Vocals
Ivan Kral – Guitar , Base
Richard Sohl – Keyboard
Jay Dee Daugherty – Drams , Percussion
Producer – Jack Douglas

『Radio Ethiopia』はパティのアルバムの中では、最もハードなロックンロール・サウンドのアルバムです。

 

mae-nishi

なぜ『Radio Ethiopia』では、ハードなロックンロールサウンドを目指したのか?

 

それは前作『Horses』をカー・ラジオで聴いたパティが、自身のアルバムの音の弱さに気づき、「アグレッシブなロックンロール・サウンド」のアルバムを目指したから。

 

プロデューサーはジャック・ダグラス

ハードなロックンロール・サウンドを目指すために、アルバムのプロデューサーにはジャック・ダグラスを起用しました。

 

彼はエアロスミスなどのアルバムも手掛けたことのあるプロデューサー。

 

『Horses』が詩人としてのパティを映したアルバムだとするならば、『Radio Ethiopia』はロックンローラーとしてのパティを映したアルバムです。

 

また、このアルバムを機に、グループ名は「パティ・スミス」から「パティ・スミス・グループ」へと変更。

 

『Horses』の制作やライブを経て、強まったバンドの結束力がグループ名にも表れています。

 

そんな、バンドの結束力を示すかのように、『Radio Ethiopia』は『Horses』の半分の時間で作られました。

 

しかし『Radio Ethiopia』は、商業的には成功したとは言いづらいアルバムです。

1977年1月8日の最初の週のアメリカのアルバムチャートでは122位で、3万枚しか売れていません。

 

カバー写真はジュディ・リン

ちなみにカバー写真を撮影したのは盟友のメイプルソープ、ではなく・・・。

 

ニューヨークの新進の写真家の「ジュディ・リン」。

 

ジュディの撮影するパティは、メイプルソープの撮影するパティとは印象が異なります。

ジュディが撮るパティは素の部分、女性としてのパティを強く感じる写真が多い。

 

 

mae-nishi

かっこいいパティではなく、‘‘かわいい” パティが見たいなら、ジュディが撮ったパティの写真を見てみてください。

 

『Radio Ethiopia』の収録曲

『Radio Ethiopia』に収録された曲は、下の全8曲です。

  1. アルバム1曲目の〈Ask the Angels〉
  2. 1曲目で上げたテンションで聴いてほしい2曲目の〈Ain’t It Strange〉
  3. 〈Poppies 〉
  4. 〈Pissing In A River〉
  5. 〈Pumping〉
  6. アラン・レ二アー作曲の〈Distant Fingers〉
  7. 8. メドレー形式の〈Radio Ethiopia/Abyssinia〉

そんな『Radio Ethiopia』に収録された曲ですが、全てについて語っていたら、とんでもなく長くなりそうです 笑

 

なので、このアルバムから個人的に聴いてほしい ‘‘ 3曲 ” だけにスポットライトを当てて語っていきます。

 

その3曲は、

  • Ask the Angels
  • Ain’t It Strange
  • Radio Ethiopia/Abyssinia

です。

 

Ask the Angels (アスク・ジ・エンジェルス)

僕が『Radio Ethiopia』でオススメの1曲目は 〈Ask the Angels〉。

 

『Radio Ethiopia』はこの曲で始まります。

 

この〈Ask the Angels〉が最もアルバムのコンセプト「ハードなロックンロール・サウンド」を表現する曲です。

カー・ラジオで聴いても、力強く聞こえるサウンドを目指していたというアルバムの方向性。

その方向性の通りに、まさにドライブの時に大音量(周りの人に迷惑にならない位の)で聴いてほしい一曲。

 

Ain’t It Strange (エイント・イット・ストレンジ)

アルバムの2曲目に収録されている〈Ain’t It Strange〉。

この曲の歌詞では、白いドレスを着た少女とドラッグを注射する少年のことを歌っています。

 

この曲の一番の魅力は、なんといってもパティの声!
なんて言えばいいんだろう・・・、塩辛い声っていう感じです。←あまり魅力的な表現ではないですね 笑

〈Ain’t It Strange〉で特に注意して聴いてほしいのは、この曲の3分57秒からのパティの声。

 

それまでのスローな曲調から一転して、マシンガンのように乱射されるパティの声、声、声!

 

mae-nishi

まさに魂がこもっています・・・。

 

 

Radio Ethiopia /Abyssinia (ラジオ・エチオピア/アビシニア)

最後のオススメの曲は、メドレー形式の〈Radio Ethiopia/Abyssinia〉です。

 

2曲合わせて12分4秒とかなり長くて、正直、曲としては聴きづらいです。

 

この曲は、アルチュール・ランボーのエチオピアへの旅と、コンスタンティン・ブランクーシ(20世紀を代表する彫刻家)に捧げた曲。

 

また後進のロックバンドへの影響が強い曲で、〈Radio Ethiopia/Abyssinia〉はグランジサウンドの原型というファンも多い。

 

実際にグランジロックバンドの代表的バンド「ソニック・ユース」のリー・ラナルドは、この曲からの影響を認めています。

 

以上、『Radio Ethiopia』について書きましたが、本当はアルバム3曲目の〈Poppies〉もオススメです。

 

その内オススメの曲を4曲にリライトしようかな・・・。

 

『Radio Ethiopia』は初めて買った、パティのアルバムなので思い入れが強いです。

 

mae-nishi

特に2曲目の〈Ain’t It Strange〉は超絶オススメの神曲です。

 

『Radio Ethiopia』をリリースしたパティ・スミス・グループは、イギリスやNYの名門クラブ「ボトム・ライン」でライブを行います。

 

そしてフロリダ州タンパで行われた、ボブ・シーガー&ヒズ・シルヴァー・バレット・バンドのライブでは前座として出演しました。

 

 

そのライブで〈Ain’t It Strange〉を歌っている最中に、パティはステージから落下してしまいました。

 

療養中に書き上げた、詩集『Babel』

タンパでのコンサート中にステージから転落したパティ。

 

そんな彼女が療養中に書き上げた詩集が『Babel』です。

 

パンクの女王のイメージが強いパティ。しかしNYでの下積み時代には、『Seventh Heaven』、『Kodak』、『WITT』の、詩集を3冊発表しています。

 

『Babel』では、イーディー・セジヴィックやマリアンヌ・フルフェイスなどの彼女にとってのミューズへ捧げた詩を発表しました。

 

『Radio Ethiopia』を知るためのキーワード 

  • ジャック・ダグラスを起用した最もロック色の強いアルバム
  • パティの ‘‘塩辛い声” が堪能できる超絶オススメ曲の〈Ain’t It Strange〉
  • グランジサウンドの原型と言われている〈Radio Ethiopia/Abyssinia〉
  • 療養中に書き上げた詩集『Babel』

 

落下事故によるケガの療養を終え、回復したパティ。

 

mae-nishi

彼女はアルバム『Easter』で、またロックシーンに復帰します・・・。

 

 

参考文献

さいごに今回の記事を書くために参考にした文献をご紹介します。

  • 「パティ・スミス 愛と創造の旅路」 ニック・ジョンストン 著 鳥井賀句 訳 筑摩書房 2000年 8月
  • 「Babel (バベル) 」 パティ・スミス 著 山形浩生・中上哲夫・梅沢葉子 訳 思潮社 1994年 1月
  • 「レコード・コレクターズ‐特集パティ・スミス」1996年 8月号

パンク女王 パティ・スミスの半生をキーワードで解説 Part-5 【Easterでの復活】」では、この記事の続きを書きました。お時間あるときに読んでください。

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